
北朝鮮とロシアが高官級交流を加速させる中、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記のロシア訪問の可能性が取り沙汰されている。実現すれば、対米対話に消極的な姿勢を示す外交メッセージとなる可能性がある。
朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、ロシア内務相率いる代表団が平壌を訪問したと報じた。今回の訪問は北朝鮮の社会安全省の招待によるもので、両国は法執行分野での協力について協議する見通しだ。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、両国は軍事協力を急速に拡大してきた。武器取引に加え、北朝鮮軍の派兵も含めた多層的な協力関係が築かれている。
北朝鮮は2025年末、ロシア支援のためにクルスク地域へ約2万人規模の兵力を派遣したとされ、2026年4月には同地域の「解放」を宣言した。
これに合わせ、北朝鮮は記念施設の建設や関連行事を準備しており、今後も高官級の往来を通じて「勝利」を強調する動きが続くとみられる。
こうした流れの中で、5月9日のロシア戦勝記念日を前にキム・ジョンウン総書記が訪露する可能性も指摘されている。実現すれば、首脳同士の結束を強く打ち出す場となる見通しだ。
特に、米国と中国の首脳会談が予定される時期の直前に訪露すれば、北朝鮮が米国との対話に関心を示していないとのメッセージを発する効果もあり得ると分析されている。
また、朝ロ関係を前面に打ち出すことで、北朝鮮が当面は他の外交課題よりもロシアや中国との連携強化を優先する姿勢を示す可能性もある。
専門家は、国際情勢を踏まえると米朝対話再開の可能性は現時点で高くないと指摘する。中東情勢などの不安定要因が続く中、北朝鮮はまずロシアや中国との関係を固め、その後に米国と向き合う戦略を取るとの見方が出ている。
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