
韓国の就業者数が2026年5月、2912万人となり、前年同月比で4万人減少した。就業者数の減少は17カ月ぶりで、韓国の雇用市場に警戒感が広がっている。
特に製造業の不振が目立ち、就業者数は前年同月より14万人減少した。これは2019年2月以来の大幅な減少で、製造業の雇用減少は23カ月連続となった。建設業も25カ月連続で減少し、農林漁業や専門科学技術サービス業でも雇用の落ち込みが続いている。
政府は中東戦争の長期化による原材料価格の上昇や供給網の混乱を要因の一つに挙げている。一方で専門家からは、製造業の雇用減少は以前から続く構造的な問題との指摘も出ている。
半導体輸出は好調だが、雇用創出効果は限定的だ。韓国開発研究院(KDI)によると、半導体産業の就業誘発係数は需要10億ウォン当たり2.1人で、全産業平均の約5分の1にとどまる。国家データ処も、半導体の輸出増加が製造業全体の雇用拡大にはつながっていないと説明した。
若年層の雇用悪化も深刻だ。15~29歳の就業者は前年同月比25万5000人減少し、43カ月連続の減少となった。減少幅は2021年1月以来の大きさで、20代の減少幅としては64カ月ぶりの高水準だった。
背景には、企業が新卒一括採用を縮小し、経験者を対象とした随時採用を増やしていることがある。若者が労働市場へ初めて参入する機会が減少しているためだ。
さらにAIの普及も影響している。韓国銀行によると、2022年2月から2026年2月までの4年間で15~29歳の雇用は25万5000件減少し、その98.3%がAIの影響を受けやすい業種で発生した。若年層が担う定型的な初級業務がAIに置き換わりつつあることがうかがえる。
政府は青年ニューディール事業を前倒しで執行し追加対策を検討しているが、雇用回復時期については見通せないとしている。専門家からは、短期的な支援策だけでなく、産業政策と雇用政策を連携させた抜本的な改革が必要との声が上がっている。
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