2024 年 12月 23日 (月)
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韓国の司法システムの穴 [KWレポート] 街を歩く“事実上の脱獄囚” (1)

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罪を犯し、自由刑(懲役、禁固、拘留)が確定すれば、社会から隔離され刑務所で服役しなければならない。しかし、現実はそうではない。多くの犯罪者が刑務所ではなく、街を闊歩している。事実上の脱獄囚にほかならない彼らは、法的に「自由刑未執行者」と呼ばれる。刑が確定しても刑務所ではなく街を歩いている「自由刑未執行者」がどれくらいなのか、なぜ彼らを捕まえられずにいるのか、解決策はないのか。

◇逃亡者10人中4人「街頭闊歩」

(1) 刑事裁判を受けていたA氏は重い刑が予想されると、今後は公判に出ない、と決めた。A氏が数回、公判に参加しないと、A氏の公判は「欠席裁判」で進められ、裁判所は懲役3年を言い渡した。ところが、A氏の所在が不明だ。自由刑の未執行者を探す責任は検察にある。この状況で検察はA氏を探すために押収捜索令状を発行してもらえるだろうか――。

(2) 検察はA氏の写真を持ってA氏のゆかりの地を歩き回りながら調べた末、検挙に成功した。A氏の量刑は増えるだろうか――。

常識的にはいずれも正解だが、現実には「いいえ」だ。押収捜索令状を発行してもらえない。刑はそのまま3年が維持される。

実刑を宣告され、拘束される前に逃走するいわゆる「自由刑未執行者」の増加傾向が尋常ではない。本来なら監獄に行くべき数千人が、自由に街頭を闊歩しているのだ。10人のうち6人だけが検挙され、残りの4人はどこかで隠れている。

さらに大きな問題は、逃走中の被告を逮捕できない状態だ。逃走者は毎年増える一方で、検挙率は下がり続けている。自由刑の未執行者が日ごとに増える構造なのだ。韓国の司法システムが「刑の宣告」だけに集中しており、執行するには穴が開いている、というわけだ。

◇最近8年間、自由刑未執行者が70%急増

最高検察庁によると、自由刑未執行の発生件数は2014年の3472件から2022年は5912件へと8年間で70%以上増えた。

2014年に3472件だった自由刑未執行者数は、2015年には3881件、2016年には4193件、2017年には4593件に増えた。2018年には4458件、2019年には4413件だった未執行件数は2020年には4548件と上昇し、2021年には5340件、2022年には5912件に増えた。

逃避場所に韓国内外の区別はない。この8年間、国内はもちろん、海外逃避の規模も大きくなった。

国内逃避で検挙できなかった自由刑未執行者数は2014年の655人から2016年の688人、2017年の801人に増えた。2018年は796人、2019年は772人だったが、新型コロナウイルス感染が本格化した2020年には1147件に急増、2021年は1457件、2022年は1337件と推移している。

海外に逃避して検挙できなかった自由刑未執行者の数は上昇傾向がさらに激しい。2014年330人にとどまった未検挙の国外逃亡者は、2015年400人、2016年498人、2017年562人に増えた。その後、2018年644人、2019年698人、2020年815人、2021年884人に増加し、昨年は928人まで増えた。

(つづく)

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