「ピザが2万ウォンなのに配達費が5000ウォンとはひどすぎるじゃないですか」
韓国のフードデリバリーアプリ「配達の民族」「ヨギヨ」「クーパンイーツ(Coupang eats)」のような3大配達アプリを使う消費者は、配達料の負担が大きいと訴える。高騰し続ける物価で、懐事情がさらに厳しくなっているためだ。
消費者物価指数はこの数カ月、急激な右肩上がりのグラフを描く。こんな時には無駄な支出を最大限減らすものだが、配達アプリを利用する時に払う配達料が「一番もったいない費用」だ。オンラインアンケート調査会社のオープンサーベイが先月発表した内容を見ると、消費者の76.3%は「配達料が安いメニューを好む」ことがわかっている。
こうした中で「配達料のない配達アプリ」が救世主のように登場し注目を集めている。
ハッシュド(HASHED)、BDCアクセラレーター(BDC Accelerator)などから26億ウォンの投資を誘致した初期スタートアップ「ドゥーイート(Doeat)」だ。アプリ発表1カ月で、既に80%を超える「月再注文率」と「週30%以上の成長」を達成している。プレイストアなどアプリマーケットに登録されたレビューでも、高い点数と好評価が相次いでいる。
既存の配達アプリが緊張している雰囲気だ。
ドゥイートサービスは近隣の配達需要をリアルタイムで把握して配達動線を最適化する方式で配達料を節約する。
まずアプリで3人以上のまとまった注文(チームマッチング)が来れば、店に伝えられる。調理できればライダーが一括してピックアップし、注文者それぞれの住所に順次配達するという形だ。
こうした場合、配達時間が長くかかるのではないかという心配があるが、アプリの評価をみると、3大配達アプリと早さは変わらないという。「最低注文金額」がないという点も利点だ。
ただ、まだ利用者が多くはなく、注文者のチームマッチングをするため20分間の待機時間がある▽同じような注文が入ってこない場合、チームマッチングができず注文を受けられない――などのデメリットもある。
また、サービス区域は、ソウル市冠岳(クァナク)区の一部地域に限られている。
今回の投資金はサービス地域の拡張に使う計画だ。ドゥーイートによると、下半期にサービス地域を首都圏全域に広げた後、来年上半期にはソウルや首都圏配達アプリ占有率1位になることを目指している。
ドゥーイートはまた、加盟店を拡大するため、他の配達業者に比べて手数料が安いと明らかにした。
一方、利用者側は▽注文取り消しが不可能▽初期アプリであるためUI(ユーザー環境)が直観的でない――などの改善を挙げている。
専門家は、ドゥーイートは短期間で加盟店と利用者を最大限増やしてこそサービスの安定性、連続性を確保できると分析する。
ドゥーイートのイ・ユンソク代表は「チームマッチングによって配送効率を高めることが肝心だ。注文を受ける媒体の役割をアプリが担い、ネットワーク規模が大きくなるにつれ利用者が得られる効果もより大きくなるという『ネットワーク効果』によりサービスを展開している」と説明している。
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