2026 年 4月 16日 (木)
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韓国「中絶を処罰するのは違憲」判断から7年…いまも続く医療現場と司法の混乱

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韓国で、2019年に中絶を処罰する刑法規定が憲法に適合しないと判断されてから7年が経過したが、関連制度の整備は進まず、医療現場や司法の混乱が続いている。

韓国の憲法裁判所は2019年4月11日、刑法上の中絶罪について「憲法不適合」と判断した。1953年の刑法制定以来、妊娠した女性や医師を処罰してきた枠組みは維持できないとされた。

当時、裁判所は経済的・社会的理由による中絶まで一律に処罰することは、女性の自己決定権を過度に制限し、胎児の生命保護という目的にも十分に寄与しないと指摘。女性の権利と生命保護のバランスを図る新たな制度設計を求めた。

しかし、その後の立法は停滞している。国会では選挙や宗教団体の反発などを背景に議論が進まず、政府も立法待ちを理由に制度整備を先送りしてきた。

この結果、現場では混乱が続く。中絶手術は保険適用外のままで費用は医療機関ごとに異なり、女性が非正規ルートで薬を入手するリスクも高まっている。

実際、2021年から2025年9月までにオンライン上で摘発された中絶薬の違法販売は2641件に上る。

さらに法的な不備は司法判断にも影響を及ぼしている。2026年3月にはソウル中央地裁が中絶手術を巡り、病院長に懲役6年、執刀医に懲役4年、手術を受けた女性に執行猶予付き判決を言い渡すなど、依然として刑事責任が問われるケースが出ている。

女性団体は、政府と国会に対し、安全な中絶医療を保障するガイドラインの策定や医療体制の構築を求めている。

また、イ・ジェミョン(李在明)大統領も2025年12月、「薬物導入を放置しているのではないか」と指摘し、対応の遅れを批判した。

2017年の調査では、妊娠を経験した女性のうち56.3%が中絶を検討し、実際に経験した割合も40%に達している。理由としては経済的事情や学業・仕事との両立の難しさなどが挙げられている。

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