2026 年 4月 24日 (金)
ホーム社会韓国・オオカミ脱走で浮上した「深刻な動物園の飼育員不足」…他の動物園でも事故懸念

韓国・オオカミ脱走で浮上した「深刻な動物園の飼育員不足」…他の動物園でも事故懸念

全州動物園「オオカミの森」で生まれたオオカミの5きょうだい(c)news1

「この人数で、これまで脱走事故や人的被害が起きていなかったのが奇跡だ」

韓国・大田のテーマパーク「オーワールド」からオオカミ「ヌック」が逃げ出した事件をきっかけに、動物園の飼育員不足が改めて注目されている。ヌックがいた猛獣舎を担当していた飼育員がわずか5人だったことが明らかになったためだ。

同様の人員体制にある全州動物園でも、同じような事故が起きる可能性があるとの懸念が出ている。

環境団体が2025年5月にオーワールドを運営する大田都市公社に対し情報公開請求をした結果、オオカミを含む小・中型の肉食動物を担当する飼育員は5人にとどまっていた。これらの飼育員はクマやトラなど24種92頭を世話しており、1人当たり約18頭を担当していた計算になる。

同団体は、過重な業務によって飼育員が動物ごとの特性を十分に把握しにくい構造になっていると指摘した。また、専門性を発揮する余裕がなく、清掃や餌やりといった単純作業に追われている実態も問題視している。

全州動物園の状況も大きくは変わらない。

現在、全州動物園では約80種400頭の動物を13人の飼育員で管理しており、1人当たり約35頭を担当している。このため、基本とされる「2人1組」の勤務体制を維持するのが難しい状況にある。

実際には肉食動物に限り2人1組での勤務が定められているが、余裕のある人員は確保されていない。そのため、病気休暇や年休で1人でも欠けると体制が崩れてしまう。

関係者は「猛獣1頭ごとに2人が付いているが、余剰人員がないため、1人が休むと残りの1人が単独で対応せざるを得ない」と説明する。

さらに「その状態で飼育員が事故に遭ったり、猛獣が逃げ出した場合、対応が遅れる可能性がある」として、安全面への懸念を示した。

不測の事態に備えるためにも、飼育員の増員を求める声が強まっている。

関係者は「動物園の人手不足は全国的に繰り返されている構造的な問題だ」と指摘し、「今回の脱走のような事故は、どこで起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らした。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular