2024 年 5月 21日 (火)
ホーム政治・社会・経済世界販売1位の中国「雪花ビール」、韓国にはなぜない?

世界販売1位の中国「雪花ビール」、韓国にはなぜない?

  現場ルポ  

「雪花ビール」(ヒョンウォンコリア提供)©MONEYTODAY

韓国で多くの人々に馴染みのある「青島ビール」は、実は中国で市場シェアが最も高いビールではない。中国シェア1位で、世界で最も多く販売されているビールは「雪花(Xuehua)ビール」だ。

中国酒類業協会によると、2020年の販売量は雪花ビールが中国ビール市場シェア31.9%で最も高い。次いで青島ビール(22.9%)、「バドワイザー」(19.5%)、「燕京ビール」(10.3%)、「カールスバーグ」(7.4%)などの順となった。

©MONEYTODAY

世界のビール販売量基準でも雪花ビールが1位だ。市場調査会社「ユーロモニター(Euromonitor)」によると、2018年に世界で最も多く売れたビールは、シェア6.1%の雪花ビールだ。次にバドワイザー、青島ビールなどが続いた。

©MONEYTODAY

青島に比べてローカルビールの性格が強い雪花ビールの販売量が世界1位なのは、中国の人口に起因する。それゆえビールの生産量も世界で最も多い。市場調査機関「スタティスタ(Statista)」の資料によると、2020年ビール生産量トップの国は3411万キロリットルを生産した中国だ。2位の米国の生産量2111万キロリットルの約1.6倍だ。

雪花ビールは、酒類・飲料・ガス・電気・不動産など多角的な事業を営む中国国営大手「華潤グループ」が販売している。手ごろな価格と爽やかな味わいで、中国で人気を集めている。製品によって価格帯はさまざまだが、1缶500ミリが韓国ウォンで600ウォンの商品もある。

韓国では、青島、燕京ビール、ハルピンビールが韓国で販売されているにもかかわらず、雪花ビールがない。これは商標権のためだ。「アモーレパシフィック(AmorePacific)」が自社を代表する化粧品ブランド「雪花水」を発売し、ビールを含むさまざまな指定商品の商標としてあらかじめ「雪花」を登録していたためだ。そのため雪花ビールの韓国進出はかなわなかった。

ただ、2019年4月には雪花ビールは「雪花」という名前の代わりに「スーパーエックス」という製品名で韓国での販売を試みた。記者会見を大々的に開き、昨年まで製品を販売したものの、今年に入り、販売を取り止めた。

雪花ビール・スーパーエックスの韓国輸入流通会社「ヒョンウォンコリア」のリュ・ジョンヒョン代表は「韓国での流通網を確かめるため、試験的にスーパーエックスを販売した。だがこのビールは主要ビール品目ではないうえ、雪花の商標権問題解決に集中したため、市場攻略が疎かになった」と振り返っている。

©MONEYTODAY

RELATED ARTICLES

Most Popular