
韓国政府が進める次世代分散型電力網向けの大規模エネルギー貯蔵装置(ESS)事業が、送配電網利用料金を巡る論争で混乱している。
気候エネルギー環境省と韓国エネルギー公団は、2026年に1171億ウォン(約128億8100万円)を投入する「AI活用ESS構築支援事業」を公示し、29日に入札を締め切る予定だ。2030年までに全国85基のESS整備を目指す国家プロジェクトだが、韓国電力公社が配電網ESSに網利用料金を課す方針を示し、業界が反発している。
問題は15日の事業者懇談会で表面化した。韓国電力は、再生可能エネルギーが集中する湖南地域のESS事業に配電網利用料金を適用すると通知。事業者側は「事前説明のない突然の措置だ」と困惑を強めている。
背景には、政府方針との食い違いがある。4月の規制合理化委員会で、キム・ソンファン(金星煥)気候エネルギー環境相は「配電用ESSには網料金を課さず投資できるようにする」と説明していたためだ。
論争の焦点は、ESSの充電を一般的な電力消費とみなすかにある。韓国電力は、再生可能エネルギーを蓄電する充電段階も一般需要と同様に扱う立場だ。一方、業界は「充電と放電は一体の発電行為」と主張し、一般消費と同じ扱いは制度趣旨に合わないと反論している。
業界では、網利用料金が課されれば事業性が大きく悪化すると懸念する声が強い。韓国電力が提示した年間利用料は5000万ウォン(約550万円)規模で、想定される年間容量精算金3億4000万ウォン(約3740万円)の約15%を占めるためだ。
論争拡大を受け、気候エネルギー環境省は25日、「電力網利用者が料金を負担するのが原則」としつつも、配電網飽和地域で系統安定化への貢献が認められる場合には、料金賦課猶予を検討すると説明した。
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