
「では、一人ずつ、今日は何をするのか話してみましょうか」
ソウル市冠岳区に夜の帳が下りるころ、始まる集まりがある。互いをニックネームで呼び合う9人から10人ほどの参加者たちは、静かに姿を見せ、自己紹介とともに「今日やること」を発表する。
読書、資格試験の勉強、オンライン講義の受講、履歴書作成、編み物まで内容はさまざまだ。それぞれが使うノートパソコンやタブレットなどの道具を集めて認証写真を撮ると、本格的に集まりが始まる。約2時間、高い集中力で先延ばしにしてきた課題と向き合う「アドミンナイト」だ。
少し耳慣れないこの言葉は「夜間作業の集まり」といった意味合いに近い。韓国では「各自がやるべきことをする集まり」とも呼ばれる。
米国など海外で先に流行したアドミンナイトは、最近では韓国でもオンラインプラットフォームや書店などで広がっている。フリーマーケットアプリのデータによると、2025年第4四半期に比べて2026年第1四半期は、「各自がやるべきことをする集まり」というキーワードを含む新規の集まりが12倍、新規加入者は25倍に増えた。新型コロナウイルス禍以降、会食や飲み会の代わりに自己啓発や個人の作業に時間を使おうとする流れが反映された形だ。
アドミンナイトの魅力は、「距離感のある連帯」にある。指定席も、見張り役の教師のような存在もいない。その代わり、心地よい音楽とちょっとした分かち合いが空間を満たす。取材班が訪れたあるアドミンナイトでは、資格試験の勉強のために参加した就職準備中の若者が、集中力を高めるためだとしてレモン味やイチゴ味のキャンディーを配っていた。
一日が終わる前に何か成果を残したい人たちが集まり、言葉少なに集中する姿は、実際の達成にもつながっている。取材班が21日と22日の2回にわたって訪れた会では、参加者の9割以上が自分で決めた目標分を終えていた。
参加者の中には、「今日やるべきことを進めながら、むしろ目標以上にやりたくなって、少し物足りなさを感じるくらいで切り上げた」と話す人もいた。
実際、誰かと一緒に集中する経験は効率を高める。心理学の概念である「社会的促進」によると、人は一人でいる時よりも、聴衆や競争相手、仲間など他者と一緒にいる時のほうが課題遂行能力が高まる傾向がある。こうした効果を狙い、現実空間や仮想空間で他人と並んで作業することを「ボディダブリング」と呼ぶ。
アドミンナイトは、社会とのつながりを保とうとする試みの一つともいえる。
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