2025 年 1月 11日 (土)
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医療版「ChatGPT」誕生目前…韓国も迅速な対応で市場開拓へ

胸部X線画像解析技術の実演=Lunit提供(c)MONEYTODAY

医療分野への生成型AIの導入が現実味を帯びてきた。韓国政府は関連法規の整備や開発支援、許認可ガイドラインの制定を積極的に進めており、グローバル市場での競争力強化に向けて青信号が点灯しているという。

韓国食品医薬品安全処(食薬処)は昨年末に「生成型AI医療機器許可・審査ガイドライン」案を発表し、業界から意見を収集している。このガイドラインは生成型AI医療機器の分類、リスク管理、許認可審査方針を網羅しており、早ければ今月24日に施行されるデジタル医療製品法に合わせて運用が開始される見込みだ。これにより、韓国初の生成型AI医療機器が誕生する可能性がある。

生成型AIは医療現場における「新たな標準(ニューノーマル)」を形成するほどの影響力を持つ技術だ。

たとえば、胸部X線画像を解析し、疑わしい肺疾患の診断や報告書作成を自動化したり、電子カルテ(EMR)の膨大なデータを分析して個別最適化された治療計画を提案したりすることが可能だ。

また、音声録音を分析してパーキンソン病などの神経疾患を早期予測したり、遺伝子解析データを基に特定疾患の発症リスクを知らせたりすることも期待されている。

一方で、生成型AIの安全性と有効性を検証するためには、膨大なコストと時間が必要となる。専門家は、生成型AIが正確性を欠く情報を説得力のある形で提供する「幻覚(ハルシネーション)」現象を引き起こすリスクを指摘しており、誤った診断や偏った学習が招くリスクを管理する必要があると述べている。

食薬処はこれを考慮し、医師が製品の検証に参加する体制や、臨床試験および実使用データを活用した臨床的有効性評価を強化している。また、患者情報の漏洩を防ぐためのセキュリティ対策や、生成型AI特有の性能評価基準を提示する予定だ。

業界からは期待と懸念が交錯している。生成型AIの活用により、医療の質が向上する一方で、その特性上、従来のAIとは異なり検証プロセスが複雑化するため、実際の運用にはさらなる安全対策が求められるとの意見がある。

専門家は、生成型AIの実用化に向けて、健康保険適用のような業界の発展を支える制度的支援の重要性も指摘している。

(c)MONEYTODAY

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