
人工知能(AI)がファッション写真を作る時代だ。ファッション業界がこれを無視するのは難しい。ルックブックや広告、詳細ページ、SNSコンテンツ制作で、AIはすでに効率的な道具となっている。
最近、ピースピーススタジオが運営するファッションブランド「マルディメクルディ」のAIルックブック未表記論争は、ファッション業界がAIをどう使い、どう知らせるべきかを示した事例だ。同ブランドはAIで生成したルックブック画像を公開しながらも、AI生成物であることを別途表示しなかった。
問題はAI活用そのものではない。消費者がAI活用の有無を知ることができるかだ。実際の撮影物のように見える画像をAIで作りながら知らせなければ、消費者は実際のモデル、実際の着用、実際の撮影結果として受け止めかねない。
衣類のフィット感や素材感、化粧品の色味や質感のように、実際の表現が購入判断に影響を与える分野では、より敏感な問題となる。消費者が実際の撮影物とAI生成物を区別できなければ、AI活用はそのまま信頼リスクになる。
海外でも似た論争はあった。リーバイスはAIモデル活用計画を明らかにした後、実際のモデル雇用を代替するのではないかとの批判を受けた。ゲスも、VOGUE広告でAI生成モデルを使用し、消費者が実在モデルとAIモデルをどれほど明確に区別できたのかをめぐって論争に巻き込まれた。
韓国のKファッションにとっても、信頼の問題は無縁ではない。AI以前にも、一部インディーファッションブランドの偽物資材使用疑惑や「タグ替え」論争は、製品情報と実際の品質の隔たりが消費者不信につながり得ることを示していた。
政府の政策も透明性を求める方向へ動いている。2026年1月から施行された人工知能基本法は、生成型AIの結果物についてAIで生成された事実を表示するよう定め、実際と区別しにくい画像や映像については、利用者が明確に認識できるよう告知または表示するよう規定している。
AI写真が問題だという意味ではない。問題は、言わないやり方だ。AIを活用したなら、消費者が分かるように表示しなければならない。既存ブランドの写真やキャンペーンを過度に参照していないかも、内部で検収する必要がある。
Kファッションは長い間、Kビューティーほど世界市場で成功できるのかという問いを受けてきた。最近は海外進出や企業公開(IPO)を推進するブランドも増えている。しかし、外形的な成長だけではグローバルブランドにはなりにくい。急速に成長する企業ほど、内部検収、表示基準、消費者信頼管理体制もあわせて備えなければならない。
「成長する過程で見落とした」という言葉は言い訳になりにくい。こうした基準を先に整えることが、Kファッションの基盤をより堅固にできる。AIをうまく使うブランドが増えるほど、AIをどのように明らかにすべきかも共に発展しなければならない。
AI写真の時代にファッション業界がまず気を配るべきなのは、技術力だけではない。消費者が「だまされていない」と感じられる透明性だ。Kファッションがより強く成長するために必要なのも、結局は信頼だ。【news1 チェ・ソマン記者】
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