
韓国のIT大手「カカオ」の労働組合が、一斉にストライキに踏み切るかどうかの岐路に立たされている。カカオを含むグループ5法人の組合員による投票でスト権が確立。27日に予定されている労働委員会での最終調整が決裂すれば、国民的メッセンジャーアプリ「カカオトーク」などを巻き込んだ共同ストライキに発展する可能性が高く、市民の間で不安が広がっている。
全国化学繊維食品労働組合カカオ支会(クルーユニオン)によると、20日までにカカオ本社のほか、決済サービスの「カカオペイ」、ITインフラの「カカオエンタープライズ」などグループ5法人の組合員による投票が実施され、いずれも賛成多数でスト方針を可決した。27日に京畿地方労働委員会で開かれる労使の2回目の調整会議が決裂すれば、5法人が同時にストに突入できる状態になる。
最大の焦点は、国民の生活インフラとなっている各種サービスへの影響だ。
IT業界や専門家は、実際にストが実施されても「直ちにカカオトークの送信などが全面停止する可能性は低い」とみている。製造ラインが止まれば生産がゼロになる半導体などの製造業とは異なり、IT企業の場合はシステムが自動稼働しているためだ。実際、2025年6月にグループの配車サービス「カカオモビリティ」で部分ストが実施された際も、大きな混乱は起きなかった。
高麗大学技術経営専門大学院のイ・ソンヨプ教授は「重要なシステムを維持する人員が残っていれば、当面の運営に問題はない」と分析する。
しかし、ストが長期化した場合や、システム保守の担当者まで全面参加した場合は状況が一変する。カカオのサービスは生活に密着しているため、障害発生時の復旧作業やサイバーセキュリティー対策が手薄になれば、被害は一気に拡大しかねない。
カカオでは2022年10月、データセンターの火災によって大規模なシステム障害が発生し、決済や連絡がストップして「日常が止まった」と社会問題になった経緯がある。イ・ソンヨプ教授は「生活インフラであるだけに、長期化すれば国民が受ける不便は(製造業の)サムスン電子のスト以上になる可能性がある」と警告する。
労組側は現在のところ、具体的なストの時期や規模を確定していない。カカオ関係者は「労組側と円満な合意に向け努力を続けており、具体的な対応は27日の調整結果を待って判断する」としている。
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