
異常高温で季節外れの暑さが続き、使い捨てプラスチックカップなどの消費増加が見込まれる中、韓国で「脱プラスチック」政策の柱である「カップ価格表示制」の導入が遅れ、店内での使い捨て用品の管理が十分に機能していない実態が浮かび上がった。
取り締まりも啓発中心にとどまり、実効性が低いとの指摘が出ている。夏場の飲料需要が急増する時期を前に、制度導入を急ぐべきだとの声も強まっている。
キム・ソンウォン議員室が気候エネルギー環境省から提出を受けた「店舗内使い捨て用品規制政策関連資料」によると、現場点検で摘発された使い捨て用品の違反件数は2023年が9806件、2024年が3171件、2025年が1058件だった。過料処分はそれぞれ90件、124件、116件で、違反件数に比べて実際の制裁につながる割合は低かった。
基礎自治体226カ所で均すと、1自治体あたり年間5件、四半期では1件ほどにすぎない。国家データ庁が推計した全国のカフェ数7万9350店と比べると、100店のうち1店ほどが1年に1度処分を受ける水準にとどまる。現場の体感と統計の乖離が大きいとの指摘が出る背景だ。
業種別では、飲食店が大半を占めた。2025年は全体1058件のうち1008件が飲食店で発生した。2024年は3171件中2198件、2023年は9806件中9067件で、似た構図が続いた。カフェや飲食店など屋内営業の現場で使い捨て用品の使用が集中していることを示している。
こうした統計の変化は政策基調の変化とも重なる。新型コロナ流行期に緩和されていた店内での使い捨て用品使用制限は、2022年末に再び強化されて取り締まりが再開された。その影響で2023年の違反件数は大きく増えた。その後、小規模事業者の負担や現場の反発が続き、取り締まりは過料よりも案内と広報中心へ切り替わった。結果として違反件数は減ったが、処罰は限定的な構図が続いている。
実際の現場は「啓発」中心の方針とかけ離れている。今月12~13日にソウル・鍾路一帯のコーヒー専門店を取材したところ、店内で使い捨てカップを使う場面が多数確認された。約10人が座れるテーブルに使い捨てカップが4~5個置かれた様子も見られた。再利用カップを使える店内でも、相当数の使い捨てプラスチックが使われていた。
政府は、使い捨てカップなどの使用が続く背景として利便性と経済性を挙げている。気候エネルギー環境省は提出資料で、消費者と事業者の利便性や費用負担を主な要因に挙げ、個人用カップの利用拡大やカーボンニュートラルポイント参加店舗の拡充などを改善策として示した。
(c)news1