
トランプ米大統領が、「イランの次は北朝鮮」と協議に乗り出すことを示唆する動きを見せた。ただ、8年前とは大きく変わった情勢と北朝鮮の外交基調により、実際に米朝対話が実現するまでの道のりは遠く険しいとの分析が支配的だ。
トランプ大統領は14日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」にキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と撮った写真を掲載した。この写真は2018年6月、シンガポール・セントーサ島のカペラホテルで開かれた米朝首脳会談の際のもので、トランプ大統領とキム総書記が明るい表情で散策している場面だ。
イランとの終戦交渉妥結という重大局面を前に、トランプ大統領が突然、キム総書記との写真を投稿したことは、イランとの戦争が終わった後に北朝鮮との外交を試みる意図が込められているとみられる。
トランプ大統領は2期目の政権発足を前に、キム総書記との「個人的関係」を強調し、米朝首脳会談再開に一定の自信を示してきた。
2025年1月の就任日には「北朝鮮が海岸沿いに巨大なコンドミニアム(リゾート)を建設する能力を持っていることを知っている」と述べ、北朝鮮が対話に応じれば大きな経済的見返りが可能だと示唆した。これは2018~2019年の米朝首脳会談当時に提示した、北朝鮮への経済的補償という構想を再び持ち出したものと解釈された。
トランプ大統領は続いて2025年10月、慶州でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に韓国を訪問した際にも、キム総書記に向けて「いつでも会う準備ができている」という趣旨のメッセージを公開的に発信した。2026年4月のキム・ミンソク(金民錫)首相との会談でも、米朝首脳会談に関心があるとの意向を示すなど、北朝鮮に向けた対話シグナルを継続的に送ってきた。
しかし北朝鮮は、トランプ大統領の相次ぐ呼びかけにも特別な反応を示していない。公開談話や官営メディアの論評はもちろん、国連駐在北朝鮮代表部を中心に運営される非公式の意思疎通窓口、いわゆる「ニューヨーク・チャンネル」を通じても、意味のある接触の動きは確認されていない。
韓国・梨花女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は「北朝鮮は中東戦争で米国の『限界』を見たと考えているだろう。引き続き『持久戦』を展開し、米朝交渉で自分たちに有利な条件へ引っ張ろうとするだろう」と述べた。そのうえで「北朝鮮は常に交渉の優位を握ろうとしているため、米朝間の交渉可能性はまだ開かれているとみている」と見通した。
北朝鮮は米国の関心に答えず、対話のハードルを上げ続けている。トランプ1期目に開かれた方式の非核化交渉は不可能であり、米国をはじめ国際社会が自分たちを核保有国として認めるべきだということだ。
キム総書記は2月の第9回朝鮮労働党大会で、「米国がわが国家の現在の地位(核保有国)を尊重し、対朝鮮敵視政策を撤回するなら、われわれもよく過ごせない理由はない」と述べた。
しかしこれは、米国がこれまで維持してきた「北朝鮮の非核化」という目標を事実上廃棄し、北朝鮮を核保有国として認めることを前提にする点で、韓米のいずれも容易には受け入れにくい条件だ。北朝鮮は対話の可能性を完全には閉ざしていない一方で、交渉の出発点を「非核化」ではなく「核保有国としての地位の承認」へ移し、対話の敷居を高めた形だ。
北朝鮮は最近も外務省談話などを通じ、米国と韓国、欧州連合(EU)の「北朝鮮非核化」方針に強く反発した。特に「北朝鮮は核保有国として認められない」という国際社会の立場に敏感に反応し、自分たちの核保有が後戻りできない現実だという点を繰り返し強調している。
パク・ウォンゴン教授は「北朝鮮は非核化を交渉テーブルにそもそも載せるなというメッセージを出しているが、米国はもちろん、ロシアと中国でさえ公式に北朝鮮を核保有国として認めることはできない。北朝鮮も即時に核保有国として認められることより、インド、パキスタンの事例のように『事実上の核保有国』になることが目標かもしれない」と分析した。
北朝鮮が以前より米国との交渉に固執する必要性が減った点も変数だ。2018年の初の米朝首脳会談当時、北朝鮮は国際制裁による経済的圧迫の解除を核と交換する構想を立てていたが、現在はロシアとの軍事・経済協力を拡大し、中国との関係も回復する流れにある。北朝鮮にとって、米国との交渉だけが唯一の突破口ではない環境が整ったということだ。
朝ロ関係はウクライナ侵攻を機に、事実上の軍事同盟水準へ格上げされた。中国も公式には朝鮮半島非核化の原則を維持しているが、最近の中朝首脳会談後は、関係安定と戦略的意思疎通の強化により重きを置く姿勢を見せている。
さらに、トランプ大統領の任期が多く残っていない状況で、北朝鮮が中長期的な見返りを期待しにくい点も、対話再開の障害となる。北朝鮮は過去にも米国の政権交代と政策の変動性を問題視してきた。任期末の成果を望むトランプ大統領とは異なり、北朝鮮はより安定的で恒久的な体制安全保障と制裁緩和措置を求める可能性が大きい。
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