2024 年 4月 20日 (土)
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使い捨て用品「退場」 (下)

SDGs~韓国の取り組み

ソウル市江南(カンナム)区のある飲食店で、デリバリー料理をリサイクル容器に入れてデリバリーバッグに入れている©news1

韓国の配達アプリ「配達の民族(ペミン)」「ヨギヨ」「クーパンイーツ」など会社がリサイクル容器配達サービスをソウルの江南・冠岳を手始めに大学街に順次拡大する。

3社は先月、アプリ内にリサイクル配達容器を選択できる別途カテゴリーまたはバナー(ボタン)を作り、リサイクル容器サービスを本格化した。

ペミンとヨギヨは飲食注文アプリのメイン画面にリサイクル容器カテゴリーを新設した。バナーを押すと、居住地でリサイクル容器使用が可能な飲食店リストを確認して提示する。

ペミンは8月29日、ソウルの江南・瑞草(ソチョ)一帯にリサイクル容器サービスを優先導入した。先月26日に冠岳区に拡大し、今月31日には広津(クァンジン)区、11月には西大門(ソデムン)区に順次拡大する計画だ。

ヨギヨは江南地域でのモデルサービスを終え、冠岳区・広津区・西大門区など大学街を中心にサービス地域を拡大している。

クーパンイーツは別途カテゴリーの新設なしに注文ページで「リサイクル容器サービス」を選択できるようにした。

業界関係者は「リサイクル容器サービスの店舗数は、ソウル市が以前発表した数より約60%程度増えたが、正確な数の確認は難しい。継続登録中なので集計は時間がかかるだろう」と話した。

「リサイクル配達容器の使用活性化のための業務協約」を結び記念写真を撮る各社代表ら©news1

◇カーボンニュートラル実践ポイント

リサイクル容器供給・回収・洗浄など管理全般はゼロウェイストサービス「リターンイット(Returnit)」を運営するスタートアップ「イットグリーン(Itgreen)」が担当する。ソウル市が選定した業者で、政府(環境省)予算の支援を受ける。現在、リサイクル容器を注文する際、消費者に追加費用の負担はない。

消費者はリサイクル容器注文配達サービスを利用する際、カーボンニュートラル実践ポイントを受け取ることができる。カーボンニュートラル実践ポイントは、エコ活動を実践した消費者に対するインセンティブ制度だ。ペミンの場合、リサイクル容器注文1件当たり1000ポイントを支給する。

カーボンニュートラル実践ポイントは、現金またはカード会社のポイントが貯まる。1人当たりの年間最大換金額は7万ウォンだ。

配達アプリ業者がリサイクル容器サービス導入に参加したのは、最近、配達される飲食物の増加に伴う使い捨てプラスチック廃棄物問題の解決が必要だとの合意形成がされたためだ。

配達アプリ3社はソウル市と今年4月、環境にやさしいエコ配達文化の拡大のため、「リサイクル配達容器使用活性化」業務協約を結んだ。

ソウル市江南区の飲食店でデリバリー料理をリサイクル容器に入れている©news1

◇飲食店は除外

配達アプリ3社とソウル市が力を合わせてリサイクル容器導入に速度を上げるのは評価されるのだが、残念な点と限界点もある。

来月24日、「資源の節約とリサイクル促進に関する法」施行によりコンビニ・ベーカリーなどの小売店で使い捨てビニール袋使用が全面禁止されるが、飲食店は除外された。ペミンのBマートなども無店舗小売業に分類され、使い捨てビニール袋の全面禁止規制から除外された。

特に収益に敏感な自営業者がエコ活動に積極的になるのは容易ではない。リサイクル容器配達サービスに積極的に参加する店主の数も政府の期待には及ばないと伝えられた。

韓国政府とソウル市がリサイクル容器配達サービス定着のために呼び水となる支援を進めているが、最終決定の主体は結局、自営業者だ。

配達アプリ3社は、プラットフォームが店主にリサイクル容器・紙袋使用などエコ活動を奨励することはできるが、強制することは難しいという。

リサイクル容器使用に関連して、政府レベルのガイドラインがないという点と、政府支援なしに事業の持続は難しく、懸念の声も出ている。

業界関係者は次のように吐露する。

「現在はソウル市が選定した業者を通じてリサイクル容器サービスを実施中だが、今後、容器などについての明確なガイドラインがなく混乱している。特に人件費が高くなったが、回収費用の増加に対し、これといった対策がない。リサイクル容器・紙袋なエコ包装費用を店主が負担する構造になる。回収費用についても、政府の支援金がなければ、リサイクル容器事業の継続は可能ではない」

©news1

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