2026 年 6月 17日 (水)
ホーム社会「告発したら1.1億円払え」性被害を訴えたモデルを巨額訴訟で追い詰める…韓国・成人向けグラビア会社

「告発したら1.1億円払え」性被害を訴えたモデルを巨額訴訟で追い詰める…韓国・成人向けグラビア会社

(c)news1/MONEYTODAY

韓国の有名成人向けウェブ写真集制作会社が、経営陣による性犯罪を公に告発した元所属モデルらを相手取り、10億ウォン(約1億1000万円)規模の違約罰を求める訴訟を起こしていることが分かった。元代表らの刑事裁判の控訴審が続く中での巨額の民事訴訟に対し、被害者側への圧迫手段ではないかとの指摘が出ている。

法曹界によると、ソウル高裁は先月21日、ウェブ写真集制作会社「アートグラビア」が、元所属モデルでインフルエンサーの女性らを相手取って起こした訴訟の控訴審弁論を終結し、7月9日に判決を言い渡す期日を指定した。

この訴訟は、女性が他の被害者を支援する過程で、当時の代表らの性犯罪疑惑を暴露したことが発端。会社側は、暴露によって売り上げが減少しイメージが損なわれたとして、2024年9月に提訴した。根拠としたのは、契約解除の際に交わした「秘密保持合意書」で、公私の会話内容を秘密とし、互いの収益活動を妨害した場合は違約罰として10億ウォンを賠償するとの条項が盛り込まれていた。

一方、女性側は、性犯罪の告発には公益性があると反論。合意書は性犯罪を隠蔽するための手段だったとし、社会秩序に反する法律行為は無効であると主張した。

2025年9月の1審判決で、ソウル南部地裁は「女性の行為は会社の収益活動を妨害する行為とは見なせない」として会社側を敗訴とした。裁判所は、暴露の対象が会社ではなく元代表個人の性犯罪行為であり、合意書作成時にも性犯罪に関する協議はされていなかったため、秘密保持義務に性犯罪の事実は含まれないと判断した。

女性側は、今回の民事訴訟自体が被害者らを追い詰めるためのものだと批判している。刑事裁判では、2025年12月の1審で、元代表に性的搾取物関連の罪や虚偽告訴の罪などで懲役10年の実刑判決が下された。また、現代表の男にも、事件もみ消しのためにSNSの監視や誹謗中傷の資料準備に加担したとして、虚偽告訴の罪で懲役1年の実刑が言い渡されている。現在、2人とも控訴し2審が進行中だ。

女性らの代理人を務める弁護士は「民事訴訟まで進めたことには、被害者側に経済的・心理的苦痛を与えて事件を諦めさせる意図がみえる。優越的地位を悪用した『権力型性犯罪』に対する司法の厳正な判断を求める」と話している。

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