2024 年 4月 25日 (木)
ホームエンターテインメントウェブトゥーン「作家を死に追いやり流産まで」…韓国ウェブトゥーンの闇「過労」 (下)

「作家を死に追いやり流産まで」…韓国ウェブトゥーンの闇「過労」 (下)

Lore Olympus(ネイバー・ウェブトゥーン提供)★本文とは関係ありません©news1

◇作家のリスクがさらに高く

取材を総合すると、大手企業は少なくとも10~15話、多くは50話の原稿を、連載前に受け取り、連載を始めると把握されている。湖南大漫画アニメーション学科のペク・ジョンソン教授は「これにより、作家のリスクがさらに高くなっている」と分析している。

カット数と事前提出の原稿の圧力を、作家一人で耐えなければならないことになる。その理由は、ウェブトゥーンのような創作は、代わりとなる人材がいないためだ。

「私が止まれば作品も止まる」「順位が下がれば売り上げも落ちる」。news1取材チームーがインタビューした作家らはしきりにこんなことを口にしていた。こうした強迫観念が、自らを過労に追い込んでいる。

日本の漫画「チェンソーマン」(右)と「魑魅魍魎」(左)★本文とは関係ありません©news1

◇セーフティーネットを

第一線の作家と業界専門家は「一定の休息を保障すべきだ」と口を揃える。

ウェブトゥーン協会のクォン・チャンホ事務局長は「作品を描かない有給休暇をすべての作家に少なくとも年2回与えなければならない」とみる。現状のように競争が激しい状況ならば「みなが同時に連載を休むべきだ」と強調した。

「ウェブトゥーン共生協議体」に参加しているペク・ジョンソン教授も、同様に「作家と作品に負担がかからないよう休載(連載中断)システムを作り、読者に十分に知らせなければならない」と助言している。

現行制度の弱点を補完する必要がある、という意見も出ている。

A氏は「ほとんどの作家がフリーランサーで、作品契約後に決まった所属先を持つことになる。だが、労働者とは認められず、法律の死角に置かれている」と訴える。加えて「アシスタントと作家いずれも芸術家雇用保険、労災保険に加入できる社会のセーフティーネットが必要だ」と主張した。

こうした状況についてウェブトゥーンの運営側はどう見ているのか。

カカオエンターテインメント側はかつて、チャン・ソンラク氏の死亡について「無関係だ」という立場を表明したことがある。同社は今回の作家ヨルムピッ氏の暴露については「契約から連載まで2年が与えられ、5週間連載すれば一週間の休載期間が与えられていた」と釈明している。

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