2025 年 1月 16日 (木)
ホーム政治特殊部隊・装甲車…でも止まらない韓国の凶悪犯罪…「強硬策では“現実への不満”は防げない」

特殊部隊・装甲車…でも止まらない韓国の凶悪犯罪…「強硬策では“現実への不満”は防げない」

ソウル地下鉄2号線の新道林駅乗り場をパトロールするソウル交通公社の地下鉄保安官(c)news1

韓国で相次ぐ凶悪犯罪に、政府と警察が特殊部隊の投入と装甲車の配置、仮釈放のない無期懲役刑の検討など、強硬対応を取り始めた。一方で、専門家からは雇用・福祉など関係部署や地域社会と連係する総合対策が必要だとの指摘も出ている。

取材を総合すると、19日にソウル地下鉄2号線で男性2人が50代男性に襲われけがをした事件を受け、ソウル交通公社は防護服を着用し、ガス銃で武装した保安官55人を動員して警戒を強化している。

また、ソウル冠岳区新林洞(クァナクグ・シンリムドン)で強姦殺人事件が発生した後、冠岳警察署は公園や山野で山岳パトロール隊を配備する案を検討し始めた。

ハン・ドクス(韓悳洙)首相は17日、国政懸案関係閣僚会議で、112通報や凶悪犯罪の多い地域に対するパトロールを強化するよう指示。法務省も、仮釈放のない無期懲役を設けるよう刑法を改正する方針を明らかにした。

ただ、専門家は、こうした対応が公共の安全を守る案の一つに過ぎず、決定的な解決策にはなりにくいとしている。

白石(ペクソク)大学警察学科のキム・サンギュン教授は「刑罰強化が犯罪予防に役立つという理論があるが、最近の凶器を使った凶悪犯罪は社会不満と衝動欲求を調節できないことで発生している」と指摘する。解決には社会全体での予防システムが必要との立場だ。

また、高麗(コリョ)サイバー大学警察学科のイ・ユンホ碩座(せきざ)教授は「パトロールなど警察対応は犯行機会の遮断について制限的に有効だ。最も望ましい予防法は犯行動機を持たないようにすること。現実への不満と相対的剥奪感を取り除く努力なしには解決できない」と訴えた。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular