
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が6月4日、就任1年を迎える。政権引き継ぎ委員会なしに国政を担ったイ・ジェミョン大統領は、この1年間、国政の混乱収拾に力を注いできたとの評価が出ている。
イ・ジェミョン大統領は特に、12・3非常戒厳で揺らいだ国政の立て直しと内乱清算の後続措置に取り組んできた。トランプ米政権の関税圧力も無難に乗り越え、韓国総合株価指数(KOSPI)が8000台に乗る株高も引き出した。
就任初期には内乱克服と国政正常化に集中した。就任6日後の2025年6月10日には、イ・ジェミョン政権の第1号法案として、いわゆる「3大特別検察官」(内乱、キム・ゴニ氏、殉職海兵)法案を審議・議決し、内乱清算に着手した。3大特検を通じ、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領ら違法な非常戒厳に関与した人物への断罪や、検察捜査を避けてきた妻キム・ゴニ氏への処罰も進んでいる。
同時に、イ・ジェミョン大統領は就任直後、ユン・ソンニョル政権の閣僚らと国務会議(閣議)を開き、国政正常化にも速度を出した。パク・ヨンジン元議員ら与党内の非イ・ジェミョン系に加え、結果的に落選したもののイ・ヘフン元議員ら保守陣営の人物も起用し、挙国一致型の人事を図った。2025年7月には一般国民に25万ウォン(約2万7500円)を支給する民生回復消費クーポンで、民生と経済の安定を狙った。
国民との意思疎通も特徴とされる。国務会議やタウンホールミーティング、省庁業務報告、公式行事に異例の生中継を導入し、国政を透明に公開した。SNSを通じて国民との対話に乗り出した点も、過去政権との大きな違いとされる。
外交では「実用主義」の色彩がはっきり表れた。米韓同盟を管理しながら、日本や中国など朝鮮半島周辺国との関係改善にも積極的に乗り出した。2025年6月には主要7カ国(G7)首脳会議に出席し、その後、日本、米国、中国との首脳外交を相次いで進めた。慶州で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、米国との関税交渉妥結に加え、習近平国家主席との首脳会談を通じて韓中関係改善の信号弾を放った。
最大の成果の一つには株式市場の上昇が挙げられる。イ・ジェミョン大統領が就任した2025年6月4日に2770.84だったKOSPI指数は、29日時点で8476.15を記録した。半導体スーパーサイクルとも重なり、イ・ジェミョン大統領が掲げた「KOSPI5000」を超え、「1万KOSPI」も視野に入る状況となっている。
一方で、住宅市場の安定は成果と限界が交錯している。政権初期には強い不動産投機抑制の意思で市場が落ち着いたが、最近は再び住宅価格が揺れ動いている。政府は根本的な供給策と税制を伴う追加の投機抑制策を検討しており、6・3地方選後の2年目の国政課題の最優先に挙げられている。
中東戦争による供給網・エネルギー危機、高物価・高為替・高金利の「3高」も難題だ。追加補正予算の執行で急場はしのいだものの、中東戦争の余波がいつまで続くか予測しにくく、対応策づくりに苦慮している。
AIと先端産業を中心とする未来経済産業構造への大転換、K字型成長による格差問題、規制・金融・公共・年金・教育・労働の6大構造改革も、政権2年目の主要課題とみられる。
イ・ジェミョン大統領は8日に就任1年の記者会見を開き、今後の国政運営の青写真を示す見通しだ。イ・ギュヨン大統領府広報疎通首席は「今回の会見は国民主権政府のこの1年を振り返り、国政2年目のビジョンと主要課題を詳しく明らかにする場になる」と述べた。
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