2026 年 5月 9日 (土)
ホーム社会韓国・公的養子縁組制度導入も、成立まで平均551日…9カ月で完了1件

韓国・公的養子縁組制度導入も、成立まで平均551日…9カ月で完了1件

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韓国で、国と地方自治体が主導する「公的養子縁組制度」の導入後、養子縁組の成立が大幅に停滞していることが分かった。保健福祉省などによると、2025年7月に新制度が施行されて以降、9カ月間で最終的に養子縁組が成立した事例は1件にとどまった。養子縁組の申請から家庭裁判所の許可までにかかる期間は、平均551日に上るという。

韓国では2020年10月、生後16カ月の女児が養父母から激しい虐待を受けて死亡する「ジョンイン事件」が発生した。女児は民間の養子縁組機関を通じて養子縁組された子どもだった。事件後、養父母への怒りとともに、民間機関中心だった養子縁組制度への批判が高まった。これを受け、国会では養子縁組を民間機関ではなく政府が主導する内容の法改正が進められた。

改正法の施行により、2025年7月からは国と地方自治体が中心となる公的養子縁組制度が導入された。従来は、事前相談から養子縁組後の管理まで、民間の養子縁組機関が手続き全般を担っていた。

新制度では、養子縁組の対象となる児童を自治体が決定し、養子縁組が完了するまで自治体が後見人として児童の保護状況を確認する。養子縁組を希望する予備養父母は児童権利保障院に申請し、大韓社会福祉会が相談や家庭調査を担当する。

児童と養父母のマッチングは、養子縁組政策委員会の分科委員会で審議され、最終的な許可は裁判所が判断する。養子縁組後1年間の事後管理は、大韓社会福祉会が担う。

一方、国内外を合わせた養子縁組児童数は減少傾向にある。保健福祉省によると、養子縁組児童数は2021年の415人から、2022年324人、2023年229人、2024年212人へと減った。このうち国内養子縁組の割合は、2021年の54.5%から2024年には72.6%に上昇した。国外養子縁組の割合は、同じ期間に45.5%から27.4%に下がった。

ただ、全国養子家族連帯チーム長のチョン・ジェハン氏は「統計だけを見ると、国内養子縁組が活性化しているように見えるが、養子縁組されず委託家庭や施設で保護された児童の割合は示されていない」と指摘した。そのうえで「国内養子縁組の実態を把握できる統計が必要だ」と強調した。

養子縁組は子どもの人生に大きな影響を及ぼすため、慎重な手続きは欠かせない。しかし関係者からは、新制度の導入後、手続きが過度に遅れているとの懸念が出ている。養子縁組では児童の年齢が重要な要素とされるため、手続きの長期化は養子縁組の機会を逃す結果につながりかねない。

養子縁組正常化推進父母連帯のユ・ボヨン代表は、遅れの背景について「根本的には準備不足が最大の問題だ」と述べた。公的制度への改編まで約2年の期間があったにもかかわらず、十分な準備ができていなかったと批判した。

ユ・ボヨン氏は「養子縁組には、児童の後見人である自治体、申請を受ける児童権利保障院、児童が滞在する施設、予備養父母の連携が必要だが、関係主体が多すぎて調整に時間がかかっている」と説明した。「マニュアルが明確に定まっていないことも問題を生んでいる」と述べた。

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