
中東戦争の長期化にもかかわらず、韓国経済の成長率見通しが上がっている。半導体のスーパーサイクルの中で、輸出の好調が続いているためだ。ただ、半導体を除いた大半の産業の成長は足踏みしており、「K字型の二極化」への懸念も強まっている。
米ブルームバーグ通信によると、JPモルガン・チェースは最近、2026年の韓国経済成長率が3.0%になると予想した。従来予想の2.2%から0.8ポイント引き上げた。
このほか、シティグループは2.2%から2.9%へ、キャピタル・エコノミクスは1.6%から2.7%へ、BNPパリバは2.0%から2.7%へ、ゴールドマン・サックスは1.9%から2.5%へ、それぞれ韓国の成長率見通しを上方修正した。
韓国国内では、現代経済研究院が3日に発表した「2026年修正経済見通し」で、2026年の成長率予想を2025年9月時点の1.9%から2.7%に引き上げた。
韓国経済を巡る楽観的な見方が強まっているのは、半導体の好況に支えられた輸出増加を反映した結果とみられる。韓国銀行によると、2026年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比1.7%の「サプライズ成長」となった。これは2020年7~9月期の2.2%以来の高い成長率だ。半導体好況による輸出の好調と、半導体生産能力拡充のための投資などが影響した。
半導体の好調は輸出実績にも表れている。産業通商省によると、4月の半導体輸出額は前年同月比173.5%急増の319億ドル(約4兆7900億円)で、過去最大を記録した。2カ月連続で300億ドル台を記録し、13カ月連続で同月基準の過去最高を更新している。
これにより、2026年の韓国輸出は政府目標の7400億ドル(約111兆円)はもちろん、8000億ドル(約120兆円)を突破する可能性も取り沙汰されている。世界市場では、日本を超えて「輸出5強」に入るとの期待まで出ている。
ただ一部では、半導体に偏った成長への懸念も大きい。半導体を除けば、景気指標全般から温かみが消えるためだ。
実際、1~3月期の「サプライズ成長」で半導体製造業分野の寄与度は55%水準に達した。1~3月期成長の半分以上が半導体から出たという意味だ。
また、4月の輸出で半導体が占める割合は37.1%で過去最高となった。かつて20%前後だった比率は2025年に24.4%へ上昇し、2026年に入って急激に拡大している。
一方、4月は家電が20.0%減、鉄鋼が11.6%減、二次電池が6.5%減、自動車部品が6.0%減、自動車が5.5%減、ディスプレーが2.7%減、一般機械が2.6%減となるなど、15大主力輸出品目のうち7品目の輸出が前年同月より減少した。
半導体に偏った成長が、実物景気の不振を覆い隠しているとの指摘が出る背景だ。実際、将来の景気を示す「先行総合指数循環変動値」は3月に103.5となり、前月より0.7ポイント上昇した。先行指数を構成する7指標の一つであるKOSPIの急騰が指数を押し上げたとの分析が多い。KOSPI上昇の背景にも半導体の好調がある。
しかし、現在の景気状況を示す一致総合指数循環変動値は3月に100.1にとどまった。先行総合指数と一致総合指数の差は3.4ポイントで、16年3カ月ぶりの大きさに広がった。両指標の差が広がれば、今後の景気判断に錯覚が生じる恐れがある。
アジア開発銀行(ADB)年次総会出席のためウズベキスタン・サマルカンドを訪れた韓国銀行のユ・サンデ副総裁は3日(現地時間)、同行記者団との懇談で「今は半導体景気が良いため成長率が高い。心配しているのは半導体の比重が大きくなったこと自体ではなく、半導体景気が折れたらどうなるかという点だ」と述べた。
さらに「以前は半導体景気が良ければ国内消費や建設などに波及効果があったが、最近はその効果が弱い点も気になる」と話した。
ただ、ユ副総裁は「最近の半導体サイクルは従来よりかなり長く続くとの期待があり、心配の程度は小さくなった」と評価した。そのうえで「半導体サイクルが折れる前に景気を下支えする方策を用意しなければならない」と強調した。
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