2026 年 5月 19日 (火)
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韓国で注目された米朝会談の可能性、トランプ氏訪中でも実現せず

2019年6月30日、板門店で握手するトランプ米大統領とキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記(c)Reuters/news1

トランプ米大統領が9年ぶりに中国を訪れ、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記との「サプライズ会談」の可能性が浮上したが、会談は最後まで実現しなかった。

専門家は、中東戦争が解決していない状況で米中首脳がいずれも北朝鮮問題に関心を向けるのは容易ではなかったとみている。11月末に中国・深圳市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に、トランプ大統領の訪中が次の米朝対話の契機になるかが注目されている。

トランプ大統領は13~15日に北京を訪問し、習近平国家主席と首脳会談した。両首脳は何度も対面し、両国間の「安定的管理」に焦点を当てた経済・貿易交渉から、中東戦争や朝鮮半島問題などの国際情勢についても意見を交わした。

しかし、今回の「ビッグイベント」を機に国際社会が注目していた米朝首脳間の対話は結局、実現しなかった。これまでトランプ大統領はキム総書記に対して一貫して融和的なメッセージを送ってきたため、一部では今回の訪中を機に2人の電撃的な会談が進められる可能性が取り沙汰されていた。

特にトランプ大統領は2025年10月、慶州APEC首脳会議出席のため韓国を訪問した際、キム総書記に向けて「会おう」というラブコールを機会があるたびに送っていた。その後、トランプ大統領が韓国を離れるまで北朝鮮側の反応がなかったため、トランプ氏は「2026年4月に戻ってくる」と述べ、次の機会を約束していた。

しかし、今回の訪中前後には、北朝鮮に関して特段の言及自体をしなかった。15日にすべての日程を終えて米国に帰国する機内で、記者団に「習主席と北朝鮮について議論した」と述べた程度にとどまった。この場でトランプ大統領は「私は金正恩氏と非常に良い関係を築いている。しかし彼は現在、とても静かだ」と述べ、内心の残念さを示した。

これについて、トランプ大統領には依然として北朝鮮と対話したい意志があるものの、最近の中東戦争長期化などで国際情勢が急変し、北朝鮮問題の優先順位が下がったとの見方が出ている。

米中両国が首脳会談後にそれぞれ出した発表文でも、朝鮮半島議題を深く議論した形跡は見えにくかった。中国外務省は「両国首脳は中東情勢とウクライナ危機、朝鮮半島など国際・地域問題について意見を交換した」とする原則的な立場を示し、ホワイトハウスの報道資料には北朝鮮に関する言及はまったく含まれなかった。

北朝鮮が2026年2月の朝鮮労働党第9回大会で核保有国路線を一段と強めたことで、米朝交渉の接点を見つけるのがさらに難しくなった点も、トランプ大統領が積極的な対北朝鮮メッセージを出しにくかった要因の一つとみられる。

ただ、トランプ大統領が一貫してキム総書記との親交を強調し、北朝鮮問題への関心を示しているため、機会さえあれば双方の接触はいつでも実現し得るとの見方もある。

トランプ大統領は15日、専用機内で記者団からキム総書記との意思疎通の有無を問われ、「そうだ」と答えた。具体的な意思疎通の方法や時期、内容などを尋ねられると、「それは重要ではない。そのことについてこれ以上話すことはないが、重要なのは彼と明らかに良い関係を築いているということだ」とし、「彼は米国との協力関係を尊重してきたし、私も彼が尊重してくれることを望む」と述べた。

外交関係者の間では、11月18~19日に中国・深圳市で開かれるAPEC首脳会議を機にトランプ大統領が訪中する場合、米朝接触の次の契機が用意される可能性があるとの観測が出ている。中東情勢が現在より安定した場合、トランプ大統領が再び米朝首脳会談を進める意志を示す可能性があり、習近平国家主席もこれまで追求してきた「朝鮮半島の仲裁者」としての役割のため、双方の日程や議題調整に積極的に乗り出す可能性があるということだ。

さらに11月3日に実施される米中間選挙で共和党が善戦した場合、トランプ大統領の対外政策推進力も一段と勢いを得るとの分析もある。

ただ、北朝鮮の立場では依然として米国との対話テーブルに出る明確な誘因が不足しているため、特段の反応を示さない可能性が大きいとの見方が優勢だ。2025年10月のように、トランプ大統領による一方的な対北朝鮮メッセージ発信にとどまる可能性があるという意味だ。

慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「トランプ大統領は現在、イラン戦争の解決策も見いだせず、米国内の政治状況も複雑で、キム総書記との対話を進める余力が事実上ない。ただ、こうした懸案がある程度整理されれば、自身の政治的成果のために再び北朝鮮へ手を差し伸べる可能性はある」と見通した。

(c)news1

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