
米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)のオリジナルシリーズ「鉄槌教師」が世界的なヒットを記録する中、主演を務める俳優のキム・ムヨルが過去に直面した「兵役逃れ疑惑」と、それに伴う自発的入隊の経緯が改めて現地で注目を集めている。
キム・ムヨルは2010年、「生計維持困難」を理由に兵務庁から兵役免除の判定を受けた。しかしその後、監査院の調査によって該当期間に芸能活動で約3億ウォン(約3300万円)の収入を得ていた事実が公になり、兵役逃れを画策したのではないかとの疑惑が浮上。世論の激しい批判を浴びる事態となった。
当時、騒動が拡大する中で、免除判定は担当公務員の行政ミスによるものだったことが判明。キム・ムヨルは「犯してもいない過ちを認めるのではなく、これ以上の誤解から抜け出したい」として、2012年10月に現役兵として自発的に入隊した。
当時の所属事務所は、兵役逃れの意図を完全に否定し、実際に極限の生活苦に喘いでいた当時の家庭環境を説明した。それによると、父親は2002年に脳出血で倒れて寝たきりとなり、巨額の医療費と借金を抱えていた。さらに弟が軍服務中だったため、キム・ムヨルが実質的に一家の生計を1人で支える大黒柱となっており、弟の除隊までは入隊が不可能な状況だったという。
この騒動に関連し、過去に民放SBSの芸能情報番組では、キム・ムヨルが2003年から2009年まで暮らしていた困窮した自宅の様子や、見かねて米を分けていたという知人のインタビューが放送された。また、所属事務所プレインのヨ・ジュンヨン代表も自身のブログで「キム・ムヨルは保証金200万ウォン(約22万円)、月々の家賃20万ウォン(約2万2000円)のバラックのような家に住み、知人たちが玄関先に置いていく米や油で命を繋いでいた」と明かし、表舞台での収入はすべて父親の病気療養と借金返済に消えていた実態を証言していた。
かつての逆境を乗り越え、実力派俳優としての地位を確立したキム・ムヨルだが、今回の主演作「鉄槌教師」は今月5日の配信開始からわずか3日間で640万ビューを記録。ネットフリックスのグローバルトップ10(非英語シリーズ部門)で1位に輝いた。韓国の調査機関「グッドデータコーポレーション」が発表した6月第1週の出演者話題性ランキングでも1位を獲得するなど、その圧倒的な存在感が再び脚光を浴びている。
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