米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)ドラマ「イカゲーム」人気によって俳優オ・ヨンス被告(78)が世界的な名声を得て、メディアに露出し続ける様子をみて、精神的に耐えられなくなった――。
オ・ヨンス被告を強制わいせつ罪で告訴した女性は、初公判が開かれた3日、代理人弁護士を通し、記者団にこう明らかにした。
事件発生は2017年8月。女性は精神的苦痛を受けて病院に通ったが、当初は告訴する考えはなかった。
ところが2021年9月に「イカゲーム」が公開され、オ・ヨンス被告が一躍スターになり、韓国人俳優としては初めて米ゴールデングローブ賞でテレビ部門の助演男優賞を受賞するなど注目を集めた。その様子に触れて、女性は精神的に苦痛を抱くようになり、事件から4年以上が過ぎた2021年12月、告訴に踏み切った。女性は検察側に、オ・ヨンス被告との間で交わされたカカオトークの対話内容や、精神科での診療内訳などを含む証拠を提出した。
今回の法廷で検察側が明らかにした起訴事実によると、オ・ヨンス被告は地方公演を準備していた2017年8月、同じ作品に出演する被害女性と散歩道を歩いていた。その際、オ・ヨンス被告が「一度、抱きしめてみよう」と言って、両腕を広げて抱いたとされる。作品が公演中だった2022年9月には女性を家まで送り、玄関前でドアロックパスワードを押していた女性の右頬にキスをしたとされる。
女性の代理人を務める弁護士は「当時、劇団末端だったこの女性を大先輩のオ・ヨンスが抱きしめて唐突にキスをした」と主張し、「若い俳優には悪夢のような経験であり、数年間トラウマに苦しめられている」「(被告は)今も反省していない」と訴えた。
これに対し、被告の弁護側は起訴事実を全面否認したうえ「2つの事実とも、あまりにもおおざっぱすぎる。詳細が特定されていない」として無罪を主張した。
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