非対称の中折れ帽のように測定器の片方を下げる。丸い場所を見れば中に入ろうとする、という猫の本能を利用して体成分を測定する――この狙いから円形のデザインにした。
今年2月、象の代わりに猫を飲み込んだボアの形をした製品が完成。会社のアイデンティティと製品の類似性を守ることができたという。
このデザインは、国内だけでなく海外でも評判を呼んだ。今年だけで世界の主要デザイン展示会であるドイツ「ベルリン国際家電博覧会(IFA)」とフランス「メゾン&オブジェ」、米国最大のペット展示会「スーパーズー(Super Zoo)」などに出品した。
新型コロナウイルスの感染拡大後、急増した「肥満猫」問題は、単に韓国のものだけではなかった。海外でも「適期に現れた製品」という賛辞を受けた。
デザイン革新有望企業育成事業の指定を受ける前の2019年は1億3545万ウォン(約1400万円)だったリトルキャットの売上高は、2020年に2億7006万ウォン(約2790万円)、2021年は7億4909万ウォン(約7737万円)と急成長した。
猫運動器具「B612キャットホイール」は、米国とアラブ首長国連邦(UAE)、ニュージーランド、タイなど6カ国に輸出された。さらに、特許を含めた知的財産として国内外で計43件出願または登録された。
リトルキャットのキム・デヨン代表は次のように振り返る。
「ペット用品は、生活消費財・インテリアの博覧会であるメゾン&オブジェに出品できないかもしれない、という意見があった。韓国デザイン振興院(KIDP)の支援を受けて『ペットファニチャー』という概念を前面に押し出し、製品を発売した。製品展示実績の中で、フランスの反応が最も強かった」
メゾン&オブジェの出品過程での弾力的な対応と担当者の情熱。これこそが、デザイン革新の有望企業を育成するカギという。
(つづく)
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