2025 年 6月 25日 (水)
ホーム社会「命令に逆らえば懲戒」校外学習を巡る校長の圧力…韓国の小学校・教員がパワハラ訴えデモ

「命令に逆らえば懲戒」校外学習を巡る校長の圧力…韓国の小学校・教員がパワハラ訴えデモ

写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1

万一事故が起きたら教員が重い責任を負わされる可能性があることから、韓国で引率が必要な校外学習を避ける傾向が強まる中、京畿道安城市(キョンギド・アンソンシ)の小学校で、校長が教員に遠距離の校外学習を強要したとして「パワハラ」を訴える声が上がっている。

韓国の放送局JTBCの報道によると、この小学校では2学期の校外学習を巡り、校長が「児童と保護者の強い要望がある」として、「郊外まで出かけるように」と教員に指示した。

しかし、事故のリスクを懸念した教員たちは学校周辺での実施を提案。校長はこれを拒否し、「公務員には上司の命令に従う義務がある。従わないなら懲戒などの処分や異動させることもできる」と強く圧力をかけた。

これに対し、教員たちは教育庁にパワハラ行為だとして訴えたが受理されなかったため、1人デモを開始。校外学習の具体的な実施計画は決まらないままとなっている。

背景には、今年2月に小学校の校外学習中に起きた児童の死亡事故について、引率の教員が実刑判決を受けたことがある。

21日からは、教職員が安全義務を果たしていれば民事・刑事責任を問われないとする改正学校安全法が施行されたが、教員側は「条文が曖昧で法的トラブルは避けられない」と訴えている。

京畿道教員労働組合は「安全義務の範囲が不明確で解釈の違いから法的紛争が起きる」とし、全羅北道(チョルラブクド)教員労組も「もっと法整備が強化されない限り、校外学習は全面的に中止すべきだ」と主張している。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular