2024 年 11月 28日 (木)
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[KWレポート] 韓国を“分断”する政治ユーチューバー (1)

キム・ヨンホ(金暎浩)統一相(c)NEWSIS

「政治過剰」とも言われる韓国。その中心には「政治ユーチューバー」と呼ばれる人たちがいる。複雑な政治に関する懸案をわかりやすく伝える一方で、偽ニュースの温床となったり、政治両極化の原因になったりしているとも指摘されている。政治ユーチューバーが閣僚になる時代、彼らの世界はどんなものなのか。

◇ファン集団形成

「いまや大臣や次官になるためには、政治ユーチューブをしなければならない時代だ」。最近、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が断行した内閣改造を見て、ある高官が語った言葉だ。

国会で7月21日、人事聴聞会を開いたキム・ヨンホ(金暎浩)統一相候補者(現・統一相)は、登録者24万人の政治ユーチューバーだった。「キム・ヨンホ教授の世界読み」チャンネルを通じてキム候補者は、昨年までの5年間で約3億7000万ウォン(約4000万円)の収益を上げた。最近就任したキム・チェファン国家公務員人材開発院長も「キム・チェファンの時事だ」という保守色の強いユーチューブ・チャンネルを運営しており、登録者は54万人に上る。

ユーチューブと政界の間にある境目が崩れている。政治ユーチューバーが、閣僚になって国政を運営する時代がやってきたのだ。政治の解説者または訓導師にとどまらず、直接プレイヤーとして活動するのだ。

逆に大統領や国会議員、地方自治体首長など国民に選出された政治家たちも、ユーチューブを通じてファン集団(ファンダム)を形成し、国民と意思疎通を図る。偽ニュースと政治両極化につながりかねないユーチューブだが、政治との結合という新たな実験が始まっている。

◇深刻な両極化

ユーチューバーたちの政治進出は今年初め、与党「国民の力」党大会から本格化した。当時、政治ユーチューバーが大挙して表舞台での行動に打って出た。

ミン・ヨンサム氏やキム・セウィ氏、シン・ヘシク氏は党の最高委員に、ユン大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏のファンクラブ「ゴニサラン」の代表を務めたカン・シノプ弁護士は代表に、それぞれ挑戦した。誰1人として選出されなかったものの、ミン・ヨンサム氏は結果的にキム・ギヒョン(金起炫)代表の特補に任命された。

韓国自由総連盟は今年6月、メディア分科諮問委員として、保守ユーチューバーを多数委嘱した。その一部は昨年、ユン大統領の就任式に招待された人物だ。

ユーチューバーとの距離の近さは、野党も同じだ。

「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表は進歩(革新)系ユーチューブチャンネルのチャットウィンドウに登場し、支持者に結集するよう訴えて「スーパーチャット(後援金)を」と促している。

ソウル大学言論情報学科のイ・ジュンウン教授は「トランプ米政権時代に見られた人民主義的、ポピュリズム的傾向が世界的に現れている。韓国は民主主義の歴史が短いため、さらに両極化が深刻に現れるだろう」と危惧する。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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