2024 年 12月 22日 (日)
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環境保護とのはざまで [KWレポート] 「宇宙経済」カウントダウン (4)

羅老宇宙センターは多島海海上国立公園に指定され、開発におけるさまざまな規制を受けている(写真=韓国航空宇宙研究院の報告書)(c)MONEYTODAY

宇宙産業にとって発射場は、何よりも重要な基盤施設だ。

しかし、韓国政府が2021年、民間宇宙産業活性化のために推進した「民間小型発射体発射場構築事業」は2年間、環境規制に縛られ、膠着している。

当初、今年1月に民間発射場の着工を予定していたが、環境省の影響評価と国立公園委員会の審議が全く進んでいない。

民間発射場が建設される全羅南道高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターの敷地は、多島海(タドヘ)海上国立公園のエリアにあり、6つの規制に縛られている。

科学技術情報通信省と韓国航空宇宙研究院などによると、6月にも環境省公園委員会は、羅老宇宙センター内の民間発射場開発に関する事項を初めて審議する。同研究院はこれまで、委員会の審議が円満に進められるよう環境省傘下の国立公園公団と事前協議を進めてきた。しかし、補完指示が繰り返され、2年間、審議すら受けられなかった。

これに先立ち、科学技術情報通信省は2021年6月、第19回国家宇宙委員会を開き、羅老宇宙センター内の青石金(チョンソククム)地域に、民間小型発射体の発射場構築事業計画を発表した。

総事業費492億ウォン(約53億円)を投入し、2021~24年に固体燃料推進発射台(90m×90m)、移送路、電気・通信・用水など付帯設備を構築する計画だった。これは羅老宇宙センターの敷地537万4686平方メートルのうち20万930平方メートルに該当する。

しかし、この事業が2年間、空転しているのだ。

国立公園では開発前の検証が必須だ。しかし、国家の一大プロジェクトである宇宙開発を、環境の倫理だけで規制するには限界がある――こんな指摘さえ出ている。

◇「保守・増設」で活路

結局、同研究院は、現在活用されていない既存の第1発射台を補修し、「第3発射台」として使う計画を打ち立てた。新規開発ではなく、保守・増設の場合、別途の規制許認可を受ける必要がないためだ。

2032年の開発を目標とする次世代発射体(KSLV-III)専用の「第3発射台」を別途建設する――という方針を転換したのだ。

次世代発射体は、従来の「羅老号」に比べ、大きさと推力ともに比較にならないほど大きい。このため、やはり新設の第3発射台が必要だとする声がある。

ただ、これに伴う許認可など規制をクリアするためには期間や費用がかかる。それゆえ、次善の策を選んだというわけだ。

◇海外に出る韓国宇宙発射体企業

実際、韓国航空宇宙研究院が昨年作成した「民間小型発射体発射場構築事前研究報告書」によると、「液体基盤の発射体は小型発射場活用よりは宇宙センター内の第1発射台を活用する案を検討中」と記している。第1発射台を、民間企業の発射を含めて多様な用途に使うことが可能だとみているのだ。

韓国の民間企業は、国内で打ち上げられる発射場がないため、近年は時間と費用をかけて海外に出る。

韓国の宇宙発射体スタートアップ「イノスペース」は今年3月、独自開発した試験発射体「HANBIT-TLV」をブラジルで打ち上げた。試験発射には成功したが、本格的な事業化を前にして、発射場利用料と運送料など莫大な費用がかかった。イノスペースは今後、ブラジルとノルウェーで打ち上げに乗り出す。

「ペリジエアロスペース」も同様だ。昨年12月、スウェーデンと発射場活用のための協約を締結した。

これらの企業は国内で試験発射や燃焼試験などの空間すらなく、困難に直面している。

政府が構築しようとする民間小型発射体発射場は、国家安全保障やさまざまな災難危機にも有用だ。米航空宇宙局(NASA)もフロリダ州のケネディ宇宙センターに多数の発射台を作り、企業に賃貸している。

同研究院羅老宇宙センター長のオク・ホナム氏は、環境省公園委員会の審議について「一度に通過すれば、年末にも民間小型発射体発射場着工が可能になり、宇宙経済実現に寄与できるだろう」とみている。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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