
韓国国防省が、南北接境地域一帯でソウル・汝矣島面積の約150倍に当たる制限保護区域を解除する。接境地域の民間人統制線も軍事境界線(MDL)から平均6キロ程度に北上させ、汝矣島の約90倍に当たる統制保護区域を制限保護区域に緩和する。
国防省は17日、政府の重要国政課題である「民軍共生のための国防分野規制緩和」を履行し、兵役資源の減少や兵器体系の発展など安全保障環境の変化に合わせて、軍事施設規制の改善を推進すると発表した。
アン・ギュベク(安圭伯)国防相は「数十年にわたり維持されてきた軍事施設規制のパラダイムを変える里程標を示す。過去の軍事施設規制は当時の環境には適していたが、今日の現実は新しい方式を求めている」と述べた。
民間人統制線の調整は、今回の規制改善の核心だ。民間人統制線は軍事活動を保障するため民間人の出入りを統制する線で、1954年に米軍が軍事施設保護と保安維持を目的に設定した。
国防省は地域別の地形条件や作戦計画などを検討した結果、民間人統制線を軍事境界線から平均6キロ程度に調整できると判断した。これにより、汝矣島の約90倍の面積に当たる統制保護区域が制限保護区域に緩和される見通しだ。
統制保護区域は軍事境界線に近く、高度な軍事活動保障が必要な地域を指す。制限保護区域に緩和されれば、軍当局の許可を受けて建築物の新築などが可能になる。現在、民間人統制線は地域によって異なるが、平均で軍事境界線の南約8キロに設定されており、今回の調整で平均約2キロ北上することになる。
国防省は、民間人統制線の検問所移転や警戒フェンス、防犯カメラの設置など統制手段を補完したうえで、2027年から段階的に民間人統制線を調整する計画だ。費用は国防予算を投じ、設置・維持・運用では地方政府と協力する。
今回の規制改善で、統制保護区域から制限保護区域に緩和される面積は約250~260平方キロ、制限保護区域から解除される面積は約450平方キロと推定される。全体の軍事施設保護区域のうち、10%弱の規制が緩和または解除される規模だ。
国防省はまた、軍事作戦上の重要性が低い地域まで一括指定されていた軍事境界線以南の制限保護区域についても、相当部分の解除を進める方針だ。軍事基地や施設ごとの保護距離、最新兵器体系など実際の作戦要素を反映した結果、汝矣島の約150倍に当たる制限保護区域を解除できるとみている。
制限保護区域が解除されれば、軍との協議なしに財産権を行使できるようになる。国防省関係者は、解除後は「完全に一般の土地になる」と説明した。軍事施設保護区域の解除・緩和は、国防省の審議を経て国防相が告示すれば効力が発生する。
国防省は、接境地域住民の不便を解消する追加措置も用意した。都市化や流動人口の増加に伴い、景観を損ない交通渋滞の原因にもなっている軍事障害物について、作戦上の必要性を再検討する。2027年には地方政府が撤去を求めた軍事障害物のうち、軍事的効用が低下した23カ所を優先的に撤去する。
また、現在は対面・手書き中心の出入行政や軍内部網中心の体系により待機や行政遅延が発生しているとして、インターネットとモバイルアプリを使った出入申請体系を構築する。農業用ドローンの飛行承認手続きも簡素化し、承認範囲を地番単位から行政区域単位へ広げ、提出書類も減らす。
国防省は、今回の措置は韓米連合作戦や一般前哨の警戒作戦調整とは別の問題だと説明した。国防省関係者は「民間人統制線は韓米間の作戦概念ではなく、軍事施設保護法上、国民の出入りと土地利用を規制する法的根拠に基づくものだ」と述べた。
国防省は「安保を堅固にしながら国民の利便性を高められるよう、予算編成、地方政府との協議、作戦性の検討など後続措置を迅速かつ体系的に進める」と明らかにした。
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