韓国で今年施行された「故郷愛寄付制」(韓国版ふるさと納税)に有名人が次々に参加して注目されている。一方で、小額財テク方法としても取りざたされ、本来の趣旨が色あせている様子だ。
故郷愛寄付制ではトッテナム・ホットスパーFCのソン・フンミンは先月6日、故郷・春川(チュンチョン)に故郷愛寄付金500万ウォン(1ウォン=約0.1円)を渡し、人気グループ「防弾少年団(BTS)」メンバーのジェイホープも先月2日、光州(クァンジュ)市北(プク)区に500万ウォンを寄付するという意思を明らかにした。
だが趣旨とは異なる副作用もあらわれている。全額税額控除の上限である10万ウォンを寄付して13万ウォンを返してもらう方法が「寄付金財テク」としてオンライン上に活発にシェアされている。10万ウォンまでは100%税額控除ができるうえ、返礼品3万ウォンを加えて13万ウォンの特典が戻ってくるため、むしろ得をするためだ。
実際、オンラインコミュニティなどでは「10万ウォン出せば、ただで3万ウォンもらえる」「ソウルに通勤する京畿(キョンギ)道民はソウル市に寄付してソウル愛商品券3万ウォンを受け取れば蜜の味だ」などの反応が出ている。
故郷愛寄付制の「故郷」の定義が曖昧だという指摘もある。現在の居住地を除けば、故郷ではなくても応援したい地域のどこでも寄付が可能なためだ。
こうした理由により、実利ある返礼品がある地域に寄付が集中する恐れも出ている。また、地方自治体間の寄付金誘致競争が過熱したり、地域別の格差が広がったりする事態も懸念される。
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