
Kビューティーが中国とアジア市場を越え、米国や欧州など「美容先進市場」で存在感を高め、世界の主流へと定着しつつある。市場多角化に合わせ、流通チャンネルや消費層、製品戦略まで再編され、輸出拡大だけでなく産業体質の構造的転換が本格化しているとの分析が出ている。
関連業界と食品医薬品安全処などによると、2025年の韓国化粧品輸出額は前年比12.3%増の114億ドル、約17兆9000億ウォン(約1兆9000億円)となり、過去最高を更新した。
化粧品業界も好況だった。アモーレパシフィックは2025年の売上高が4兆2528億ウォン(約4593億円)で前年比9.5%増となり、3年ぶりに4兆ウォン台を回復した。APRは売上高1兆5273億ウォン(約1649億円)、営業利益3653億ウォン(約394億円)を記録し、創業以来最大の実績を達成した。
2026年もKビューティー輸出は2025年実績を上回る可能性がある。1~3月期の化粧品輸出額は31億ドル、約4兆6000億ウォン(約4968億円)で、四半期ベースの最大輸出を記録した。この流れが続けば、年間120億ドル突破も視野に入る。
今回の成長は単なる物量拡大にとどまらない。市場構造、消費層、流通チャンネルが同時に変化している点で、質的にも意味が大きい。特に米国市場での伸びが目立つ。2025年の化粧品輸出額のうち対米輸出は22億ドル、約3兆2054億ウォン(約3462億円)で最大の比重を占めた。韓国は2024年、フランスを抜いて米国輸入化粧品シェア1位に上がり、その後も首位を維持している。
アモーレパシフィックの米州売上高は前年比20%以上増の6310億ウォン(約681億円)で、中華圏売上高を上回った。APRは2025年売上高の80%が海外で発生し、その半分を米国が占めた。地政学的状況に左右されやすい中国市場への依存度を下げ、米国、日本、欧州などへ輸出先を多角化したことが成長を支えたとみられる。
アマゾンやセフォラなど世界的流通チャンネルでも、Kビューティーブランドの存在感は拡大している。3月、西側主要国のアマゾン6カ国の美容部門トップ100に占めるKビューティーの比率は15%で、スキンケアに限れば21%に達した。APRの代表ブランド「メディキューブ」は6カ国の100位圏製品のうち34品目を占め、影響力を示した。
Kビューティーはセフォラやアルタビューティーなど、実店舗を持つチャンネルにも流通網を広げている。メディキューブは3月、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど欧州17カ国のセフォラ約450店舗とオンラインチャンネルで販売を始めた。2025年には米国のアルタビューティーと日本のドン・キホーテにも入店した。
製品戦略も変わった。かつてのKビューティーはマスクパックやカラー製品を中心に「コストパフォーマンス」の印象が強かったが、最近はダーマ、クリーンビューティー、アンチエイジング、サンケアなど機能性カテゴリーへ重心が移っている。
皮膚科学に基づくダーマコスメや、成分の安全性を強調するクリーンビューティーは、世界の消費者が敏感に反応する分野だ。Kビューティーは迅速な製品開発力と価格競争力を組み合わせ、この市場を攻略している。アモーレパシフィックのダーマブランド「エストラ」は米国セフォラに続き、欧州17カ国まで領域を広げた。LG生活健康のヘアケアブランド「ドクターグルート」も効能を前面に出し、主要チャンネルで顧客接点を増やしている。
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