
2022年に韓国・釜山で発生した「釜山回し蹴り事件(強姦殺人未遂)」の被害者女性が、勝訴した損害賠償金(1億ウォン=約1100万円)を回収するために服役中の加害者の「領置金(収容者が施設に預ける手元資金)」を差し押さえたところ、加害者の30代の男が「毎月一定額の領置金を使えるようにしてほしい」と差し押さえの解除・変更を求める申請を裁判所に申し立てていたことが分かった。
懲役20年の刑で服役中の加害者の男は今年2月、釜山地裁西部支部に対し、2度目となる「差し押さえ禁止債権範囲変更」を申請した。これは口座などが差し押さえられた際、債務者の生活状況を考慮して差し押さえ対象外の金額を裁判所が調整する手続きだ。
被害者女性は2024年9月に確定した賠償判決に基づき、男の領置金を差し押さえる命令を得ていた。しかし男は2025年3月に1回目の変更申請をし、「1回に限り15万ウォン(約1万6500円)以内での領置金使用」を認められた。男はさらに、今年2月になって「毎月10万〜15万ウォンの範囲で領置金を使えるようにせよ」と条件の緩和を求めて再申請に踏み切った。
被害者女性は自身のSNSでこの事実を公表し、激しい憤りを露わにした。現行の制度では、加害者の領置金を回収するにあたり、被害者側が収容施設にわざわざ電話をして残高を毎回照会し、取り立て手続きを一つずつ自力で進めなければならない。女性は「毎回電話して確認するわけにもいかず放置していたら、加害者は毎月15万ウォンもの使用権を保障しろと書類を送りつけてきた」と吐露した。
さらに女性は「刑務所内での15万ウォンは、社会での150万〜170万ウォン(約16万5000〜18万7000円)に相当する大金だ。犯罪被害者を保護する仕組みはないのに、国民の税金で暮らす収容者がこれほどの金額を保障されるのは常識的に理解できない」と、加害者優位とも言える制度の不条理を強く批判した。
この事件は、男が面識のない女性を尾行し、背後から頭部を回し蹴りして失神させた上で性的暴行を試みたもので、残虐な犯行の様子が防犯カメラに捉えられ社会に大きな衝撃を与えた。男は懲役20年が確定し服役しているが、服役中も被害者への報復を示唆して脅迫した罪で、今年一審で懲役1年を追加で言い渡されている。
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