
ロシア政府が補助金を投じて開設したモスクワ―平壌の直行便が、極めて低い搭乗率にとどまり、観光需要の乏しさが浮き彫りとなった。
ロシアの経済紙によると、この路線を運航する航空会社には2025年、政府予備基金から約1億2000万ルーブル(約2億400万円)の補助金が割り当てられていたが、実際に受け取ったのは約4080万ルーブル(約6936万円)にとどまった。
これは補助金支給条件である「7月から11月の間に片道10便の運航」を満たせなかったためで、実際の運航は半分の5便にとどまった。
航空追跡サービスのデータでも、同路線は2025年7月の運航開始以降、計9便しか飛んでおらず、多くの便で座席に空きが目立ったとされる。
搭乗客の大半は観光客ではなく、政府関係者やエネルギー・IT分野の人員、貨物輸送が中心だった。2025年に北朝鮮を訪れたロシア人は約9900人で、このうち観光客は約5000人にとどまる。
その多くは所要時間が短いウラジオストク経由を利用しており、直行便の需要は限定的とみられる。
モスクワから平壌までは飛行時間が約8~9時間と長く、費用や利便性の面でもウラジオストク経由が選ばれやすい状況だ。
それでもロシア側は赤字を抱えながらも路線を維持する方針だ。直行便は両国関係強化の象徴的な意味合いを持つほか、軍事やエネルギー、IT分野で拡大する協力に伴う人員や物資の移動手段として活用されているためだ。
観光面では期待外れに終わっているものの、この路線は当面、ロシアと北朝鮮の実務的な連携を支えるインフラとして機能し続けそうだ。
(c)news1