
韓国のチョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相が、北朝鮮・平安北道亀城市を「第3のウラン濃縮施設」と言及したことを受け、その実態を巡る議論が広がっている。ただ、現時点で公開されている情報では濃縮施設の存在を裏付ける証拠は乏しく、むしろ同地域の軍需工場としての役割に関心が集まっている。
問題の発言は、米シンクタンク「科学国際安全保障研究所(ISIS)」が2016年にまとめた報告書を根拠としているとされる。一方、国際原子力機関(IAEA)は公式には寧辺や降仙など既存施設のみを言及しており、亀城地域に新たな濃縮施設があるかどうかは確認されていない。
専門家の間でも慎重な見方が多い。2016年の報告書以降、追加の確証はほとんど示されておらず、同報告書自体も当時「遠心分離機工場として継続的に運用されているとの情報はない」と評価していた。
ただし、亀城市の方峴一帯にある施設が軍事関連拠点である可能性については、多くの専門家が一致している。衛星画像の分析では、ここ数年で大規模な改修や生産設備の拡張が確認されている。
特に近隣の飛行場が無人機(ドローン)の試験や運用拠点として活用されている点から、この工場がドローンや航空機部品の製造施設である可能性が指摘されている。過去には軽飛行機の生産工場と紹介されたが、実際には核・ミサイル開発との関連性も継続的に取り沙汰されてきた。
キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の現地視察には、核・ミサイル開発に関与する主要人物が同行しており、2017年には同地域で大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の発射も確認されている。
こうした点から、この施設がミサイルやドローンの生産を担う複合的な軍需拠点であるとの見方も出ている。
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