
オンライン動画配信サービス(OTT)業界が、コンサートやスポーツなど差別化されたライブ配信コンテンツを武器に、利用者獲得競争を繰り広げている。
韓国でシェア首位の米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)がBTS(防弾少年団)のカムバックライブを独占生配信する一方、クーパンプレイやTVING(ティービング)はF1やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などのスポーツ中継を差別化戦略として打ち出している。
ネットフリックスは3月21日、ソウル市の光化門広場一帯で開かれる「BTSカムバックライブ:ARIRANG」を単独で生配信する。この公演は、BTSの5枚目のフルアルバム「ARIRANG」の発売を記念して開催されるもので、ネットフリックスが韓国から世界へ配信する初のライブイベントとなる。音楽公演のライブ配信としても同社初の試みだ。
ネットフリックスは最近、ライブコンテンツの拡充を進めている。2026年1月には米国の著名クライマー、アレックス・オノルドが台湾の超高層ビル「台北101」をロープなしで登頂する様子を生配信した。
さらに、プロレス団体WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)とのパートナーシップを通じ、今年予定されている週刊番組や大型ライブイベントを独占配信する。5月には「2026年F1カナダグランプリ」も配信する計画で、同社にとって初のモータースポーツ生中継となる。
一方、クーパンプレイもライブコンテンツ確保に積極的だ。特にスポーツファンを狙ったコンテンツを競争力の柱としている。
同社は今月6日のオーストラリア・グランプリの現地生中継を手始めに、2026年シーズンのF1全レースを4K超高画質で配信する。年間24ラウンドのうち10カ国のグランプリを現地から中継し、韓国史上最大規模の現場中継とリポートを進める。
これに先立ち、2月にはサッカー韓国代表のソン・フンミンが所属する米メジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルスFC(LAFC)試合の中継も始めた。クーパンプレイは2月22日の開幕戦から、2026年シーズンのLAFC試合を韓国語でライブ配信している。
また同月には、米プロフットボールNFLの頂点を決める「第60回スーパーボウル」も韓国語で全編生配信した。人気歌手カーダーガーデンを特別ゲストとして解説に招くなど話題を集めた。
さらに3月には、K-POPグループTREASUREの日本・京セラドーム公演も独占ライブ配信する。
TVINGは「2026ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」全試合を独占生中継している。同社は韓国プロ野球(KBO)のニューメディア中継権も保有している。
主要OTT各社がライブコンテンツ確保に力を入れる背景には、激化する業界内競争がある。サブスクリプション型サービスの特性上、コンテンツによって月ごとの利用者数が大きく変動するためだ。
調査会社ワイズアプリ・リテールによると、クーパンプレイの2月の月間アクティブユーザー数(MAU)は879万人で前月比12%増加した。同期間にNFLスーパーボウルやNBAオールスター戦など大型スポーツイベントを中継したことが影響したとみられる。
一方、ネットフリックスのMAUは1490万人で前月比2.65%減少。TVINGは552万人で3.2%増加した。
業界関係者は「ライブコンテンツは特定の時間に利用者を集中して集められる強みがある。かつては地上波や有料放送の中心コンテンツだったが、最近はOTTも話題性の高いライブ配信に力を入れている。独占コンテンツを巡る競争はさらに激しくなるだろう」と指摘した。
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