
「作れば作るほど赤字です」――強い日差しが照りつける2日午後、韓国・忠清北道清州市のキャベツ畑では、ぎっしりと実ったキャベツを前に、農業従事者が深いため息をついていた。そこには収穫の喜びはなく、あるのは丹精込めて育てた作物をトラクターで畑ごと踏みつぶし、土に還す凄惨な光景だった。
中東戦争の余波で肥料や農薬、ビニールといった農業資材の価格が急騰した一方、生産量の増加と消費の冷え込みが重なり、農産物価格が暴落。農業従事者たちは「出荷するほど損が出る」として収穫を断念し、約5000平方メートルのキャベツ畑の半分を自ら耕し返した。トラクターが通り過ぎた跡には、無残に押しつぶされた緑色の残骸だけが散らばっていた。
45年間農業を営んできたという60代の農業従事者は、その様子を無言で見つめながら「我が子のように育てた作物を潰す姿を見るのは本当に胸が痛む。一生懸命に働いても報われない現実が最もつらい」と肩を落とした。また、親の跡を継いだ別の農業従事者も「昨年は長雨で被害が大きく、今年は作柄が良いのに価格のせいで苦しんでいる。政府が価格調整などの根本的な対策を講じてくれないと、農家は今後どう生きていけばいいのか分からない」と重い表情で語った。
農業従事者らによると、生産コストは前年比で約1.5倍に跳ね上がったにもかかわらず、キャベツ1玉あたりの価格は昨年の700〜800ウォン(約80〜90円)から、今年は500ウォン(約60円)水準まで底を打ったという。「ここまで価格が暴落したのは記憶にない」と悲痛な叫びが上がる。この日、知人に作業を託した50代の畑の所有者は、病院からの電話取材で「体も心もボロボロだ。最近で最も苦しい時期を過ごしている」と涙ながらに胸の内を明かした。
同日、全国農業従事者会総連盟清州市農業従事者会などはこの畑で集会を開き、政府と国会に対し、農産物価格暴落と農業資材高騰への根本的な対策、農産物公正価格制の導入、環太平洋経済連携協定(CPTPP)加入推進の中断などを強く求めた。
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