2024 年 5月 5日 (日)
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韓国を狙った中国の「黒鉛」プレッシャー…“武器”が必要だ [韓国記者コラム]

(c)ロイター/news1

「タイミングが絶妙すぎる」。韓国のあるバッテリー会社の関係者は、中国による黒鉛輸出の統制決定について、このように語った。中国政府は12月からバッテリー生産に使われる天然・人工黒鉛の搬出を制限することを決めた。米国や欧州でのバッテリー生産に負の影響を与える絶好タイミングだからだ。「K-バッテリー」に向けた宣戦布告とも言える。影響を受けるのは、米国・欧州でバッテリーを生産するLGエネルギーソリューション、サムスンSDI、SKオンなどの韓国企業だ。

中国にとって、韓国はグローバル覇権争いを繰り広げるライバルだ。米国・欧州とともに、中国はグローバル3大電気自動車市場に挙げられる。韓国企業が中国に工場を設立し、中国人を採用してバッテリーを生産したところ、販売できなくなった。中国側の妨害工作とみられる。また、中国政府は、自国に工場を置く欧州完成車ブランドにK-バッテリーを搭載しないよう求めるなど露骨な妨害が相次ぐ。

K-バッテリーが苦戦する間、中国企業CATLは、現代自動車グループにバッテリーを供給する企業の中核になった。納品拡大のためにソウルに支社を設立し、人材を運用する。中国大手の電気自動車メーカーBYDは、現代自動車のバッテリー納品だけでなく、電気自動車の市場にも入り込んでいる。電気トラックや電気バスなどを輸出し、一部の自治体が価格の安さから、相次いで中国産電気バスを導入している。

韓国側も反撃の機会をうかがっている。中国のサプライチェーンによる圧迫に対抗し、中国企業の特許侵害の可能性を調べる必要があるとの声も上がっている。米国・欧州・オーストラリア・カナダなどと連携して中国を孤立させることが、バッテリー覇権を握るためのかぎとみられるが、それをどうやって実現するか政府と業界が苦心している。【MONEYTODAY キム・ドヒョン記者】

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