
韓国の俳優キム・スヒョン氏の名誉を毀損した疑いで、検察がユーチューブチャンネル「カロセロ研究所」のキム・セウィ代表に対する拘束令状を請求するなか、警察当局が「未成年だったころの女優キム・セロンさん(2025年2月死去)とキム・スヒョン氏が交際した事実はない」と結論づけていたことがわかった。
MONEYTODAYはソウル江南警察署のキム・セウィ代表に対する拘束令状申請書を入手した。
それによると、キム・セウィ代表は2025年3月、放送と記者会見で、キム・スヒョン氏が2015~2018年に未成年だったキム・セロンさんと交際し、性的関係を持ったという虚偽事実を流布した。
だが、警察はキム・セウィ代表が▽キム・スヒョン氏が未成年だったキム・セロンさんと交際した事実はない▽キム・セロンさんが死亡に至った原因がキム・スヒョン氏にあるわけではない――と知りながら、キム・スヒョン氏を誹謗する目的で虚偽事実を繰り返し配布したとみている。
キム・セウィ代表は2025年3月27日の記者会見で「キム・セロンさんが2016年6月にキム・スヒョン氏から受け取ったものだ」というショートメッセージを公開した。ただ、警察の捜査の結果、これは捏造されたものと確認された。

キム・セウィ代表は、キム・セロンさんが「不明」という相手と連絡を取ったものを、キム・スヒョン氏との会話内容であるかのように見せる目的で、相手の名前をキム・スヒョン氏に変更し、プロフィールにキム・スヒョン氏の写真を挿入して捏造した。そのうえで「キム・スヒョン氏が未成年だったキム・セロンさんに『会いたい』『抱きしめたい』などの内容のメッセージを送り、キム・セロンさんが中学生の頃から交際していた」と主張した。
キム・セウィ代表は同年5月、2回目の記者会見で人工知能(AI)で捏造されたキム・セロンさんの音声ファイルも再生した。そこには「キム・スヒョン氏と中学校の時から交際し、中学2年の冬休みに初めて性的関係を持った」というような虚偽事実が含まれていた。キム・セウィ代表はこのほかにも、キム・スヒョン氏側がこの事件の証人に40億ウォン(約4億4000万円)を渡すと懐柔し、殺害しようと試みたなどの虚偽事実を流布した。
キム・セウィ代表には、キム・スヒョン氏がキム・セロンさんの家で下着だけを着ている写真を公開した疑い(性暴力処罰法上のカメラ等利用撮影物頒布)もある。写真は2020年4月に撮影されたもので、キム・セロンさんの年齢は当時21歳だった。この事件の立証とは全く関係のない写真だった。

キム・セウィ代表はまた、キム・スヒョン氏に「別の写真もあるが、キム・スヒョン氏の振る舞いを見て公開することにする」として公開謝罪を強要し、「キム・スヒョン氏は(資料を公開すれば)ドラマから降板させられる程度では済まないだろう」「n番部屋事件とは比べものにならない。とてつもない話がある」などと述べ、キム・スヒョン氏の私生活をさらに流布するかのように脅迫した疑いを受けている。
キム・セウィ代表とともに遺族側の法律代理を務めた弁護士も立件されたことも確認された。警察は「被疑者(遺族側弁護士)は犯行資料をキム・セウィ代表に提供し、虚偽事実を流布しただけでなく、これを拡大、再生産するなど、組織的かつ計画的に、犯行に及んだ」とみている。
これについて、キム・スヒョン氏側の代理人弁護士はは20日、自身のソーシャルメディア(SNS)で「キム・スヒョン氏側は遺族側弁護士を告訴していない。捜査機関が共犯の疑いを確認し、容疑者と見立てたものとみられる。容疑者の弁護人が共犯と認知され、『容疑者』となるケースは非常に異例だ」と述べた。
警察は「キム・セウィ代表は、故人と連絡を取った相手をキム・スヒョン氏と断定できる手がかりがなかったにもかかわらず、これを確認せずキム・スヒョン氏と断定した。捏造された音声ファイルも、虚偽または捏造の状況が多数存在したにもかかわらず、大衆にフィルターをかけずに公開した。このような犯行動機は、ユーチューブ視聴者からの寄付金など収益創出にあったものとみられる」と指摘した。
また、キム・セロンさんの父親が担当捜査官から、キム・セロンさんの生前最後の携帯電話の提出を求められたが、これを拒否しているとし、「容疑者らが引き続き関連資料にアクセスできる立場にある以上、証拠を隠滅したり、捏造・毀損したりする可能性が非常に高い」と推定した。
警察は▽逃亡の恐れ▽重い刑が宣告される可能性に対する認識▽サイバーレッカー犯罪に対する政府の断固たる対応▽証拠隠滅(自殺の可能性)の恐れ▽犯罪の重大性および再犯の恐れ――などを理由に、拘束の必要性があると主張した。
事件を引き継いだソウル中央地検は19日、キム・セウィ代表に対する拘束令状を請求した。キム・セウィ代表に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)は26日午前10時30分にソウル中央地裁で開かれる。
(c)MONEYTODAY