2024 年 4月 25日 (木)
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廃バッテリーが電気自動車充電所に変身…済州でのみ可能な理由 (下)

SDGs~韓国の取り組み

使用済みバッテリーで作ったESS(エネルギー貯蔵装置)と電気自動車の充電器(左)©MONEYTODAY

最終的に残存容量が70%以上残ったバッテリーは、電気自動車充電ESS(エネルギー貯蔵装置)など多様な用途で使われる。残存容量が50~60%以下のバッテリーはモジュールからリチウム・コバルト・ニッケル・マンガンなど金属を抽出する民間企業に売却する方針だ。

内部を見回してセンターの外に出ると、200kWh(キロワット時)級の電気自動車充電用ESSを見ることができた。センターがルノーコリアSM3から出た廃バッテリー8クラスを集めてリサイクルした実証用ESSだ。センターの屋上と駐車場に設置された太陽光電力が貯蔵される。ESSはすぐ隣の電気自動車充電器に電力を供給する。キム・ヒョンジン氏は「ESSを利用して放電したSM38台を充電させることができる」と説明した。

センターは使用済みバッテリーで作ったESSを電気自動車充電ステーションだけでなく、街灯、みかん運搬車、バイクなどに適用する8件の実証事業を進めている。これは済州道が自治体として公共事業に活用できるため可能なことだ。

ESSとつながっている済州テーマパーク駐車場の太陽光屋根©MONEYTODAY

キム・ヒョンジン氏は「使用済みバッテリーを再び使うためには再認証を受けなければならないが、まだ制度が作られておらず国家技術標準も来年10月頃に施行するため電子製品安全法により商用化が難しい」とみる。

済州道のように公共地方自治体が自主的に使用することは認証と関係がないため、2019年から試作品を公共事業に活用して技術を蓄積し、データを取得しているという。「認証体系が標準化されれば、これを商用化し、企業が付加価値活動できるようデータなどを支援する」とも伝えた。

市場調査会社SNEリサーチによると、今年のグローバル純電気自動車の普及台数は709万9000台で、2025年には1325万2000台に成長する見通しだ。済州島で発生する使用済バッテリーの個数は2030年には2万個余りと推算される。

センターはバッテリー保管容量を500台まで増やし、2024年までに電気自動車で使用後、バッテリー活用製品の試験認証と信頼性評価のために12種の装備を追加導入するという。

©MONEYTODAY

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