2026 年 6月 16日 (火)
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AI時代の税制論、雇用代替なら「ロボット税」必要 [韓国記者コラム]

中国広東省深圳のロボット企業施設で、ヒューマノイドロボットに家事動作を学習させるエンジニア(c)AFP/news1

人工知能(AI)が人間の労働の大半を代替するようになれば、政府は誰から税金を徴収すべきなのか。

オープンAIの初期投資家で、シリコンバレーを代表するベンチャー投資家のビノッド・コースラ氏が、AI時代を迎え、米国の税制そのものを再設計する必要があると主張した。

コースラ氏は10日、英フィナンシャル・タイムズへの寄稿で「AIは現在人間が担っている経済的価値のある業務の80%を、全職業の80%で遂行するようになる。問題は大規模な低雇用が来るかどうかではなく、その時に備えた政策体系を持っているかどうかだ」と述べた。

コースラ氏は、シリコンバレーを代表する技術楽観論者だ。半導体企業サン・マイクロシステムズの共同創業者で、オープンAI、ストライプ、ドアダッシュなどに初期投資したコースラ・ベンチャーズの創業者でもある。

コースラ氏の主張は、最近、米国で論争となったトランプ政権の「AI国民配当」や、サンダース上院議員の「AI国富ファンド」よりもさらに根本的な問いを投げかけている。コースラ氏は寄稿で、米国の税制自体が産業化時代の前提をもとに設計されていると指摘した。

コースラ氏は「現在の米国税制は、労働が経済的価値を創出し、資本は支援が必要な存在だという仮定の上に作られている」と述べた。実際、米国政府の財政は所得税、給与税、社会保障税など、労働所得を基盤とする税目に大きく依存している。

しかし、AIとロボットが生産活動の相当部分を担うようになれば、労働所得の割合は減り、資本収益は急増する。結局、現在のような課税体系だけでは政府財政を維持しにくくなる可能性があるということだ。フィナンシャル・タイムズは、これは単なるAI産業規制の問題ではなく、AI時代の資本主義をどう維持するかという問いだと評価した。

コースラ氏はAI時代に備えた新たな税制も提示した。まず、2028年以降はキャピタルゲイン税の優遇制度を廃止し、一般所得と同じように課税すべきだと主張した。現在の米国税制は、投資所得に一般所得より低い税率を適用するキャピタルゲイン税の優遇制度を維持している。

だがAI時代には、資本収益が労働所得よりはるかに速く増える可能性が大きく、こうした優遇を維持する名分はなくなる。コースラ氏は、キャピタルゲイン税の優遇を廃止すれば、年間約4000億ドル(約58兆円)の税収を確保できると試算した。

続いて2030年以降は、AIコンピューティング使用量と、ロボットが人間の労働を代替して生じた売り上げに小規模な税を課す案も提案した。いわゆる「AI税」と「ロボット税」に当たる考え方だ。

コースラ氏は「AIが給与と賃金に基づく税収基盤を浸食するなら、コンピューティング使用税が新たな補完装置になり得る」と主張した。

長期的には、AI企業の株式を保有する国富ファンド設立の可能性にも触れた。コースラ氏は「2035年以降、AIが巨額の企業富を生み出すようになれば、重要なのは誰がそれを所有するかだ。AI企業の株式を保有する国富ファンドは、すべての国民をAI経済の資本所有者にすることができる」と述べた。

コースラ氏はAI産業の成長そのものを支持しながらも、今から新たな税制を準備すべきだとみている。コースラ氏は「民主主義が許容する範囲内で資本主義は機能する。AIによる構造的な低雇用が現実化するのに何の備えもしなければ、人々は結局、資本主義そのものを問題視するようになる」と警告した。【news1 シン・キリム記者】

(c)news1

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