
夫の死後に見つかった、日本での「もう一つの家庭」――。配偶者の生前に不倫の事実を知らなかった場合でも、死後に不倫相手へ慰謝料を請求することはできるのだろうか。韓国のラジオ番組にこんな相談が寄せられた。
ラジオ番組「チョ・インソプ弁護士の相談所」で5月26日、ある女性からの切実な相談が紹介された。
女性は40年前に結婚し、1男1女を育てながら平穏な家庭を築いてきた。貿易会社の幹部だった夫は日本への出張が多かったものの、家族は「仕事に熱心なのだ」と信じ切っていたという。
しかし2025年、夫が心臓麻痺で急死する。遺品を整理していたところ、夫の日本の携帯電話から、見知らぬ女性や子どもと一緒に写った写真、そして長年にわたり生活費を送金していた記録が見つかった。
相手の女性は2010年ごろに知り合った韓国人の女で、夫に家庭があることを知りながら子どもを出産。子どもをインターナショナルスクールに通わせるなど、現地で事実上の「二重生活」を送っていた。精神的ショックを受けた女性と子どもたちは、夫の死後でも不倫相手に損害賠償を請求できるのか、専門家に助言を求めた。
この相談に対し、法務法人「シンセゲロ」のホン・スヒョン弁護士は、法律上の観点から次のように解説した。
「既婚者と不貞行為を働き、婚姻関係を破綻させて精神的苦痛を与える行為は、明白な不法行為だ。たとえ夫が死亡した後であっても、相手の女性が既婚者だと知りながら関係を続けていた以上、相談者である妻は損害賠償を請求する訴訟を起こすことができる」
気になる慰謝料の金額について、ホン弁護士は、実務上これまでは3000万ウォン(約330万円)を基準に裁判が進むことが多かったが、最近は請求額や裁判所が認める金額ともに高くなる傾向にあると指摘した。さらに、判決が出た翌日からは法律に基づき、年12%の遅延損害金も上乗せされると言い添えた。
一方で、今回のケースではいくつかの注意点もあるという。まず、子どもから不倫相手への慰謝料請求について、ホン弁護士は、不倫相手が子どもに対する養育や保護を積極的に妨害したという特殊な事情がない限り、子どもたちの請求は退けられる可能性が高いとする。
また、夫が不倫相手やその子どもに貢いだ金を取り戻したいという点についても、支出した金額を直接返還するよう請求することは原則として難しいとした。ただ、どれほどの金額が不倫相手に渡っていたのかという支出規模は、妻への慰謝料額を算定する際の重要な考慮要素になると指摘し、法律専門家への十分な相談を勧めている。
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