
韓国の統一地方選をめぐり、ソウル市選挙管理委員会が、投票用紙の不足トラブルが起きたソウル市松坡区蚕室7洞の第2投票所で「投票箱の移送を強行しない」との立場を表明したわずか約11時間後、警察に投票箱移送の支援を要請する公文書を送っていたことが分かった。野党「国民の力」のキム・ウンヘ議員が20日、中央選挙管理委員会から提出を受けた資料で明らかにした。事実上の「だまし討ち」とも言える選管側の対応に、野党側は虚偽の公文書作成や国家暴力にあたるとして激しく批判している。
資料によると、ソウル市選管は4日午前4時27分に「中央選管と認識を共有し、当該投票所の投票箱移送を強行しないことにした」との立場文を発表していた。しかし、同日午後3時18分には松坡警察署に対し「投票箱の開票所移動に関する警察援助協力要請」と題する公文書を送付していた。
市選管が警察に送った公文書には「投票所周辺に多数の群衆が集まり、投票箱の送付を妨害した。群衆が押し寄せたり、もみ合い、暴行、脅迫などにより、投票箱を開票所に持ち込めないでいる」と言及。「正常な選挙管理を妨害している状況であり、速やかに投票箱を開票所へ移動させて開票し、選挙を終えられるよう積極的に協力してほしい」と記されていた。
中央選管がキム議員室に提出した回答によると、当時は投票所前に多くの市民が集まっており、移送を強行した場合の物理的衝突が懸念されたため、一度は強行を不適切と判断してソウル市選管に伝えていた。しかしソウル市選管の資料では、午前中の立場文発表から数時間後の午前11時に市選管事務処長が現場を訪問し、指導課長が松坡警察署長と面談。午後1時53分に警察援助要請の報告を経て、投票箱を搬出する方針へと再び翻していたという。
当時、現場には保守系ユーチューバーや市民ら数百人が集まっていた。ただ、未明の立場文発表から警察への公文書送付までの間に、公文書に記されたような暴行や脅迫行為が発生したか、またそれを裏付ける証拠映像があるかは確認されていない。
キム議員は「踏みにじられた参政権を返してほしいと訴える国民を『暴行・脅迫デモ隊』と規定した選管は、虚偽公文書作成および行使にあたる」と指摘。さらに「投票箱の強制移送の過程で、若者や住民を公権力でなぎ倒し、連れ出した国家暴力行為の経緯についても、国政調査で徹底的に問いただす」と猛反発している。
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