2024 年 4月 30日 (火)
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[KWレポート] 韓国ハイテクの現在地 (5) OLEDで超格差強化

昨年12月29日、ソウル麻谷LGサイエンスパークで開かれた「OLED.EX」メディアデーでオ・チャンホLGディスプレイ大型事業部長副社長(左)が次世代テレビパネル「OLED.EX」を紹介している(LGディスプレイ提供)(c)news1

2022年、韓国のディスプレイ業界は「OLED(有機発光ダイオード)への事業転換」に追われた。世界的な景気低迷によるパネル需要鈍化に加え、中国が掌握した液晶表示装置(LCD)産業から撤退しなければならないという「二重苦」の中で、新たな安定的な収益軌道に乗せるためだ。

OLEDは、薄型・低消費電力で高画質を実現する次世代のディスプレイで、昨年、急速に普及が進んだ。テレビやスマートフォンだけでなく、タブレットやノートパソコン、自動車・電車をはじめとするモビリティなど高付加価値市場が開花し、これを狙った新技術もあふれ出た。

今年からは拡張現実(XR)機器をはじめとするメタバース産業もOLEDの新たな成長動力として位置づけられる見通しだ。

2023年の韓国ディスプレイ業界は、OLEDを重点とし、中国に奪われた「ディスプレイ産業1位国」の座を奪還する構えだ。約20年間、「ディスプレー宗主国」だった日本が韓国にその座を奪われたことを今度は韓国が教訓とするのだ。

◇15年間「OLEDの歴史」を書いてきた韓国ディスプレイ

OLEDを中心とした現在の韓国ディスプレイは、半導体、自動車産業と共に輸出を支える代表産業として挙げられる。韓国ディスプレイ業界の一昨年の輸出額は28兆ウォン(約2兆9013億円)を記録し、全体の3.3%を占めた。国内総生産(GDP)に占める割合も4%を超える。

サムスンディスプレイ、LGディスプレイなどは15年間、OLED事業で相次いで「世界初」の記録を塗り替えた。サムスンディスプレーは2007年、世界で初めてスマートフォン用OLEDパネルの商用化に成功し、LGディスプレーは2013年からテレビ用大型OLEDパネルを業界で唯一量産した。

大型OLEDパネルとモバイル中小型OLEDのいずれの分野でも、韓国企業は主導的な地位を維持している。

市場調査会社「オムディア」によると、昨年第2四半期(4~6月)で韓国メーカーの中小型OLED市場シェアは72.1%だ。大型OLEDパネル市場では世界の大部分をLGディスプレイが占め、サムスンディスプレイが一昨年末からQD-OLEDパネル生産を始め、サムスン電子とソニーに供給している。

業界関係者は「OLED市場は技術力がより重要な側面があり、中国の低価格政策に伴う打撃は過去のLCD市場に比べても少ない」としている。

(つづく)

(c)news1

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