2024 年 4月 30日 (火)
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[KWレポート] 韓国ハイテクの現在地 (4) 「3ナノで逆転の足場を築いた」

京畿道平沢市のサムスン電子平沢キャンパス(c)news1

サムスン電子はメモリーに続き、システム半導体分野でも世界1位を達成するとした「半導体ビジョン2030」を発表し、ファウンドリー(受託生産)市場攻略に乗り出した。

世界の半導体市場はメモリー比重が約30%水準であり、ファブレスとファウンドリーなどシステム半導体分野が約70%に達する。サムスン電子はメモリー超格差を維持し、ファブレスシステム半導体とファウンドリー競争力強化で半導体3大分野を全て主導するとしている。

ファブレスとは、自社で生産設備を持たずに製品を生み出す形態のこと。ファウンドリーはこの逆で、生産機能のみに特化した形態だ。ファブレス企業はファウンドリー企業に自社製品の生産を委託し、ファウンドリー企業は生産した製品をファブレス企業に納品する仕組み。

ファウンドリー1位の台湾積体電路製造(TSMC)のけん制が強まり、競争環境は厳しい。しかし、サムスン電子は昨年5月、5年間で450兆ウォン(約46兆6277億円)の投資計画を明らかにした。投資額の3分の2以上を半導体に集中し、勝負をかける。

成果も現れ始めた。最先端工程である3ナノでTSMCより6カ月以上リードし、競争力の高さを立証した。サムスン電子は昨年6月、3ナノ工程の量産に成功し、7月には出荷を開始した。一方、TSMCは昨年12月末になってようやく量産を始めた。

(サムスン電子提供)(c)news1

京畿道(キョンギド)龍仁(ヨンイン)市器興(キフン)キャンパスでは、次世代研究開発(R&D)団地を建設中だ。20兆ウォン(約2兆723億円)を投資してファブレスシステム半導体とファウンドリーなど半導体R&D分野の核心研究基地にしていく。

SKハイニックスも昨年、ファウンドリ企業である「キーファウンドリ」を買収し、システム半導体市場の攻略に乗り出した。 キーファウンドリは8インチウェハーを基盤に電力半導体、ディスプレイ駆動チップ、マイクロコントローラユニットなど非メモリー半導体を委託生産する。

韓国半導体産業協会のイ・チャンハン副会長は「韓国半導体の規模を拡大するためにシステム半導体への領域拡張は必須だ。政府と民間が一つのチームになって中長期的に投資しなければならない」と強調した。

(つづく)

(c)news1

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