2024 年 4月 30日 (火)
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[KWレポート] 韓国ハイテクの現在地 (3) 「メモリー神話」

ユン大統領とバイデン米大統領が京畿道平沢市のサムスン電子半導体工場で、サムスン電子のイ・ジェヨン会長の案内を受けながら生産施設を見学している(大統領室写真記者団)(c)news1

バイデン米大統領は昨年5月、アジア歴訪の最初の訪問地として、日本ではなく韓国を選んだ。この60年間、歴代の米大統領はアジアで日本を真っ先に訪問していた。今回、その順番を覆したわけだ。

韓国で最初に訪れたのは米軍基地や大統領室ではなく、世界最大の半導体生産基地「サムスン電子平沢キャンパス」だった。半導体が経済安全保障の戦略兵器であり、米国主導の先端産業サプライチェーン再編と製造施設拡充の核心に浮上したことを示した瞬間だった。いわゆる「半導体ファースト」だ。

「産業の米」と呼ばれる半導体は韓国産業の核心となる輸出品だ。世界中のメモリー半導体(DRAM、NAND)で、「Made in Korea」の占める割合は60%に達する。一昨年、韓国の全輸出額の20%だ。

サムスン電子は1993年以降の約30年間、メモリー半導体1位の座を守り、「超格差」を維持している。SKハイニックスもサムスン電子に次ぐ2位の座を固めた。

今は「メモリー神話」を越えてシステム半導体まで領域を拡張中だ。特にサムスン電子は、世界初のファウンドリー(委託生産)最高集積度3ナノ工程量産で、技術競争力の高さを立証した。世界1位のファウンドリー企業である台湾積体電路製造(TSMC)を半年以上リードし、逆転の足場を築いた。

SKハイニックスM16全景(SKハイニックス提供)(c)news1

◇30年間メモリー超格差維持…半導体寒波にも耐える理由

サムスン電子は1992年、世界初の64M-DRAM開発後、DRAM市場1位になった。翌年の1993年からはメモリー半導体1位の座を維持している。

市場調査会社のトレンドフォースによると、サムスン電子は昨年、世界中のDRAM(売上高基準)の43%、NANDフラッシュの33%を供給し、王座を守ったものと推定される。世界で使われるDRAM10個のうち4個、NANDは3個以上がサムスン電子製品であるわけだ。

サムスン電子メモリー1位の基盤は技術「超格差」だ。約30年間、毎年自身の記録を更新し、圧倒的な技術競争力を見せてきた。

昨年のサムスン電子のDRAMの利益率は、ライバル会社に比べて5~10%ポイント優位にあったという。

メモリー半導体2位のSKハイニックスも技術競争力を高めている。同社の昨年のDRAMのシェアは28%、NANDは20%と推定される。

サムスン電子とSKハイニックスの半導体技術の進化は、輸出の増加や大規模設備投資につながっており、韓国経済の大きな原動力の一つになっている。

世界半導体市場統計機構(WSTS)によると、一昨年時点で世界の半導体の最終売上高は5560億ドル(約71兆5460億円)で、韓国のシェアは21%で、米国(55%)に次いで世界2位だった。

(つづく)

(c)news1

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