現場ルポ
韓国慶尚北道(キョンサンプクド)盈徳(ヨンドク)ズワイガニ祭りは昨年、メタバースで開かれた。全羅北道(チョルラプクド)高敞(コチャン)郡は、地方自治体として初めて、メタバースショッピングモールを開設した。
メタバースは「第2のインターネット」空間として定着しつつある。メタバースのプラットフォームが急浮上すれば、社会、経済、文化など多方面にどのような影響を及ぼすのか。これを分析したのが、韓国科学技術情報研究院(KISTI)は最近発刊した「メタバース時代のトレンドと今後の発展課題」と題する報告書だ。
この中にメタバース関連のキーワードと動向の分析がある。韓国言論振興財団のニュースビッグデータシステム「ビッグ・カインズ(BIG KINDS)」に基づいて、メタバース関連のニュースのビッグデータを収集し、コンピューター分析アルゴリズムで処理した。
メタバース関連の報道は1996年以後、毎年0~10件程度だったが、2020年に93件、2021年は11月13日までで1万3561件に激増している。人工知能(AI)、仮想現実(VR)、5世代移動通信(5G)、情報通信技術(ICT)などのキーワードのニュースが2391件で、ニュース全体の17.6%を占めた。
またNFTや仮想通貨、ブロックチェーンなどのキーワードは2374件(17.5%)のニュースから導きだされた。
関連する例として、仮想通貨取引サイト「コルビット(KORBIT)」は、仮想通貨投資に不慣れな利用者のためにアバターで貨幣取引が可能な仮想空間「コルビットタウン」を立ち上げ、実験に移している。暗号通貨取引所「Upbit」運営会社「ドゥナム(Dunamu)」のイ・ソクウ代表は「メタバースプラットフォーム『2ndblock』(セカンドブロック)で、コインだけでなくNFTなどすべてのデジタル資産が便利で安全に取引されるようにしたい」と述べた。アン責任技術員は「メタバース関連の仮想融合経済が今後、さらに活性化するだろう」と予想した。
メタバースを活用した教育運営、就・創業支援(2326件、17.1%)も大きくなっている。「メタバーススクール」というスタートアップは、多様なメタバース教育環境をサポートし、授業に必要な道具を提供している。釜山市教育庁はこのほど、3次元(3D)技術専門会社「ユニティコリア(Unity Korea)」と契約を交わし、メタバース教育コンテンツの制作に乗り出している。
このほか▽未来の成長動力としてのメタバース活用(2182件、16.1%)▽メタバースプラットフォームとコンテンツビジネスの成長(2166件、15.9%)▽メタバースを活用した企業採用文化の変化(2142件、15.65%)――などがトレンドだった。
KISTI科学データ教育センターのアン・ブヨン責任技術員は「時間がたつにつれ、このようなキーワードが増加している。メタバース実現のため、実感型のデジタル技術開発が加速していることを意味する」と解説する。
©MONEY TODAY