2024 年 11月 26日 (火)
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「生成型AI」活用急ぐグローバル縦読み漫画…韓国で高まる「規制・政策」急ぐ声

Dashtoon提供(c)MONEYTODAY

縦読み漫画「ウェブトゥーン」のグローバルなプラットフォームが生成型AI(人工知能)の活用を積極的に進める中、韓国国内でも関連する規制や政策の整備が急務だという声が高まっている。新技術に対応する政策の枠組みが整備されていないため、ウェブトゥーン業界は海外市場に目を向けている状況である。

IT業界の情報によれば、韓国ウェブトゥーン産業協会は12日、グローバルウェブトゥーンプラットフォーム「Dashtoon」と業務協約を結び、韓国国内のウェブトゥーン作家の海外進出を推進することを発表した。インド出身のスタートアップであり、米サンフランシスコに本社を構えるDashtoonは、作家が創作したストーリーを生成型AIスタジオを通じてウェブトゥーンイメージに変換するサービスを提供している。

Dashtoonの最高運営責任者(COO)、ラリス・グディパティ氏は「良いウェブトゥーンを作るには時間がかかる。高品質なコンテンツを迅速に制作しなければならないプレッシャーの中で、創作者には創造性を保つためのツールが必要だ」と強調した。

ウェブトゥーンにおいてストーリーが最も重要であるため、他の部分にかかる努力を減らすということだ。

創作者はストーリーを入力した後、西洋漫画からアニメーションまで多様なウェブトゥーンスタイルを選ぶことができる。スタジオはストーリーを認識した後、自動的に主人公を検出し、プロジェクトに追加する。その後、Dashtoon独自の技術により、ストーリーをセリフとパネルで構成されたシナリオに変換する。創作者はパネルを追加したり、編集してストーリーの流れをコントロールできる。

創作者はスタジオが生成した草案を編集し、自分の望むスタイルにカスタマイズできる。この過程でもインペインティング(画像内を編集する作業)やセグメンテーション(外枠線に沿って点を打つ作業)など、生成型AI技術で画像を編集することができる。編集が完了すると、スタジオから直接、Dashtoonのアプリケーションにコンテンツをアップロードできる。

Dashtoonはこうした生成型AI技術に著作権の問題はないとの立場を示している。生成型AIが直接新たなコンテンツを創作するわけではないためである。Dashtoonは、生成型AIで創作したコンテンツの著作権を創作者に付与している。

グローバルウェブトゥーンプラットフォームで生成型AIの活用が高まっている一方で、韓国国内のウェブトゥーン業界での活用は停滞している。AIを利用して創作したコンテンツの著作権をどう扱うかについて政府が明確な基準を示しておらず、企業が技術開発に積極的に取り組めない状況だ。

韓国の大手IT企業「ネイバーウェブトゥーン」は、線を引く作業や基本的な彩色を補助する生成型AIツールを開発中とされる。単純で反復的な作業をAIに任せることで、創作者の労働負担を軽減することが期待されている。しかし、文化体育観光省が生成型AIによる産出物に著作権を認めないガイドラインを策定したため、実用化が不透明な状況にある。

また、カカオエンターテインメントも生成型AI技術を開発中だが、現在は創作者の作業よりも作品のプロモーションを助ける方法を検討している。創作者が生成型AIを用いてコンテンツを宣伝するショート動画を制作する方式だ。

ウェブトゥーン業界関係者は「国内のプラットフォームがウェブトゥーン制作ツールに生成型AIを適用するための技術力は備えているが、公開できない。先行して技術を公開・活用した場合、後に政府の方針に反することになれば問題が生じる恐れがあるためだ」と指摘する。

韓国ウェブトゥーン産業協会のソ・ボムガン会長は「出版産業の影響力が大きい日本やフランスも、デジタル化を拒否するのではなく、用途に応じて効率的に活用している。生成型AIの使用は作家の判断に委ねるべきであるが、技術的に遅れを取らないように活用経験や学習が可能な環境が整うべきだ」と強調している。

(c)MONEYTODAY

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