
中国の習近平国家主席の7年ぶりの北朝鮮訪問で注目されるポイントの一つは、習主席がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の娘と会うかどうかだ。北朝鮮が過去、「後継者」を中国に紹介し、後継構図を固めてきた経緯があるため、習主席が娘と会えば、娘の「後継者説」にさらに重みが増すとみられる。
8日に始まる中朝首脳会談の主な日程はまだ公開されていない。専門家らは、娘が習主席の到着行事や宴会などに姿を見せる可能性があるとみている。
娘が初めて登場したのは2022年11月、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射の時だった。その後、娘の公開活動は2023年に10回、2024年に12回、2025年に15回と着実に増えた。
2026年は1月1日の錦繍山太陽宮殿参拝をはじめ、今月4日の5000トン級新型駆逐艦「姜健」号の航海試験視察まで、北朝鮮メディア基準ですでに16回の公開活動をこなしている。韓国の国家情報院は2月、娘が一部の施策にも意見を出していると把握され、後継者内定の段階を踏んでいると分析した。
娘のイメージの変化も目を引く。以前は「幼い娘」という印象が強かったが、最近はキム総書記と同系統の服を着たり、幹部らに似たスーツ姿で登場したりして、「成熟した白頭血統の後継者」というイメージを浮き彫りにしようとしている。
北朝鮮はこれまで、後継者が確定すれば適切な時期に中国の最高指導者と会い、事実上の「承認」を受ける手続きを踏んできた。先代のキム・ジョンイル(金正日)総書記は後継者内定から9年後の1983年、党書記の資格で訪中して鄧小平氏と会い、キム・ジョンウン総書記は後継者内定から2年後の2011年に中国を訪問し、後継者として公式にあいさつしたとされる。
そのため、娘が2025年9月にキム総書記の中国訪問に同行した際には波紋が広がった。娘が習主席に会ってあいさつすれば、中国が娘を北朝鮮の4代世襲の後継者として公式に認める意味に解釈されかねないためだ。
しかし、娘は北京到着後、いかなる公式行事にも姿を見せなかった。非公開で習主席と会った可能性も排除できないが、娘に対する中国の評価や立場は依然として不透明だ。
今回の首脳会談は、形式面で2025年9月とは異なるため、娘が習主席と会う可能性もやや高まっている。2025年はキム総書記が中国主催の多国間外交の場に招待客として出席したが、今回はキム総書記の「ホームグラウンド」で開かれる二国間会談という点で、行事の主導権は北朝鮮側にあるとみることができる。
外交関係者の間では、習主席と娘の面会について、中国側の「明確な意見」が北朝鮮側に伝えられたとの見方が支配的だ。習主席が娘と会うことは、中国が北朝鮮の4代世襲を公に認めたように映り、国際社会の批判的な世論を招く恐れがあるため、中国側が面会を避けようとするとの見方が優勢だ。
一方で、キム・ジョンウン総書記は、キム・ジョンイル総書記の長男キム・ジョンナム(金正男)氏の「逸脱」により、短い後継教育を経て指導者になった。父とは異なり、後継者時代に中国最高指導者と撮った写真がない。これを意識したキム・ジョンウン総書記が、娘を前面に出し、強固な白頭血統の世襲体制を強調したい考えを持っているとの分析もある。
専門家の間では、習主席の妻・彭麗媛氏が同行するかどうかにも注目する必要があるとの見方が出ている。彭麗媛氏が訪朝に同行すれば、「家族同士の面会」という形式を通じて、娘もより自然な形で習主席と会える可能性があるためだ。
韓国・梨花女子大学のパク・ウォンゴン教授は「外交儀礼の面で形式と格を合わせることは非常に重要な問題だ。習主席の訪朝日程が1泊2日と短く、複数の日程をこなす中で、突然、習主席が娘と会えば、不自然な場面に見える可能性もある」と指摘した。
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