
韓国のスターバックス・コリアが実施したプロモーションの文言が「過去の民主化弾圧を連想させる」として批判を浴び、不買運動に発展している問題で、店舗で働く現場の従業員たちが極度の精神的ストレスを訴えている。顧客からの激しい抗議や罵声の矢面に立たされており、匿名コミュニティーには経営陣への怒りと悲痛な叫びが投稿され、議論を呼んでいる。
騒動のきっかけは、スターバックスが「5・18光州民主化運動記念日」である今月18日に展開した「タンクデー」というタンブラーの広報イベント。1980年の同事件当時に戒厳軍が戦車(タンク)を投入した悲劇を想起・揶揄しているとの批判が殺到した。親会社である新世界グループのチョン・ヨンジン(鄭溶鎭)会長が謝罪し、スターバックス・コリアの代表らを更迭したものの、ネット上などを中心に不買運動が拡大している。
こうした中、会社員向け匿名コミュニティーアプリ「ブラインド」に、スターバックスの店舗管理者とみられる人物から「現在の状況に対する職場の意見」と題した投稿があった。
投稿者は「今回のマーケティング惨事のせいで、現場のパートナー(従業員)たちは血の涙を流している」と吐露。経営陣の不手際による事故であるにもかかわらず、レジに立つスタッフが客から政治的な「思想検証」を受けたり、「お前たちも同罪だ」と暴言を吐かれたりしている実態を明かした。「毎日出勤するのが恐怖で、レジ前に立つのが地獄のようだ。なぜ私たちが客の怒りのはけ口にならなければならないのか」と怒りをぶつけている。
さらに投稿では、本社に対し▽店舗に謝罪文を掲示させないこと(従業員がクレーマーの標的になるため)▽売り上げ減少の責任を現場に押し付けないこと▽イメージ回復のための奇襲的な割引イベントや謝罪プロモーションで現場を酷使しないこと▽返金や抗議に対応する専門窓口を本社に新設すること――などを強く求めた。
この投稿は現在削除されているが、画像がSNSで拡散され、波紋を広げている。
インターネット上では「文章から現場スタッフの恐怖感が伝わる」「従業員には生活がかかっており、責めるべきではない」と共感する声が上がる一方、「同情を誘って客足を戻そうとする、会社側の仕込みではないか」と冷ややかな視線を向けるユーザーもいる。また、チョン・ヨンジン会長が過去にSNSで「滅共」と発言して物議を醸した経緯を引き合いに出し、「トカゲのしっぽ切り(幹部更迭)では収まらない」と経営陣の責任を追及する声も根強く、現場の混迷は当面続きそうだ。
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