
韓国警察が2028年までに、人工知能(AI)を基盤として知能型・新型犯罪への対応力を高める一方、現場警察官の捜査業務を効率化する。従来は検出が難しかった新種・混合麻薬を識別できるAI学習型ラマン分光器や、警察官の調書作成を支援する「捜査支援AI」の高度化などが予定されている。
警察はこうした目標を盛り込んだ「治安AI革新総合計画」を、官民協力を基盤に推進している。体系的な履行に向け、本庁の未来治安政策局が総括を担い、3課体制の専任組織も整備した。
警察関係者は「政府のAI政策方向に合わせ、3大戦略、25課題、12大先導プロジェクトを重点的に推進している」とし、「AI基盤のきめ細かな治安安全網を構築し、急変する犯罪・事故への対応力を画期的に強化することが目標だ」と説明した。
2026年に進められる代表的な研究開発(R&D)事業には、最近1次実証を終えたラマン分光器がある。5400種以上の麻薬データを学習したAIを搭載し、新種・混合麻薬を判別できるという。2027年下半期に全国の警察機関で試験運用される予定だ。
また、ダークウェブや暗号資産を通じた麻薬取引履歴を追跡・分析する技術の開発にも着手する。AIを操作して情報を盗み取るような新型犯罪に対応するため、フォレンジック技術も開発する。
知能型・特殊犯罪への対応技術はさらに実証が必要だが、「警察捜査支援AI」(KICS-AI)については、直ちに現場で効果を出せると警察は強調した。AIが文書要約、令状申請書の草案作成、類似事件の推薦などを担い、複雑な捜査書類の作成時間を大幅に短縮することが柱だ。警察内部の事件管理システム「刑事司法情報システム(KICS)」と連動している。
KICS-AIは2025年11月に正式運用を始めた。警察は2026年に55億ウォン(約6億500万円)を投じ、供述調書の質問推薦、捜査資料に基づく犯罪一覧表の自動作成、文書・音声など非定型捜査資料を認識する機能などを高度化する予定だ。
警察関係者は「KICS-AIが少数の専門家だけの技術にとどまらず、警察の全構成員が簡単に使える道具として定着できるよう、多方面から支援している」とし、「警察庁独自のAI訓令を制定し、現場の目線に合わせた『安全な治安AI活用案内書』を制作・配布して、心理的な壁を下げたい」と話した。
AIを効率的に運用するためのインフラ整備も並行して進める。警察によると、最近、これを目標とする「AI統合プラットフォーム情報化戦略計画(ISP)」事業の具体的な議論が始まった。
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